Live.100『明日は続くよどこまでも 〜LOVE & PEACE BEGINS WITH A SMILE〜』

 西暦2031年初頭に月面で行われた戦闘の後、世界は大きな混乱に包まれていた。


 オズワルド=Aアルゴ=スパーダらの引き起こした“世界ワールドディザスター”は、アクターたちの健闘もあって最悪の事態を免れることはできた。

 だが――それでも惨禍さんかを完全に食い止めることまでは叶わず、地球に住む人々に大きな傷痕きずあとを残していったのも、また事実である。


 ある場所では都市がまるごと瓦礫の山と化し、また別の場所では住処と財産を失った者が、呆然と崩れ落ちていた。

 何も知らない民衆たちの中には、アクターたちに対して責任問題を追及するものもいた。

 挙句には世界の支配者たる国連すらも同様の論理を掲げ、それこそ一時期はアクターたちの本格的な排除作戦に乗り出そうとしたことさえもあったほどだ。


 しかし、その作戦決行が秒読みの段階にまで突入していたとき――。

 “ある事件”が起きたことを皮切りに、人々はその認識を改めざるを得ない状況となる。


 “世界ワールドディザスター”の影響で地球全体の空間が不安定化したことにより、なんと世界各地で“アウタードレス”の顕現が確認されるようになってしまったのである。

 そのためアウタードレスに対抗する術をもたない国連は、世界からアクターたちを排除するという当初の方針を撤廃し、彼らの保有する戦力アーマード・ドレスに頼らざるを得なくなったのだ。


 勿論、オズ・ワールドリテイリングに所属するアクターたちは(体制からは独立してしまったものの)これまで通りに活動を続けていた。

 舞台フィールドを東京から世界へと広げ、彼らは人々を守るために戦っている。

 その直向きな姿に、当初は反感を抱いていた民衆たちもまた感化されていき――やがて人々の中で、ある一つの共通意識が芽生えていく。


 『彼らアクターこそが、自分たちの英雄ヒーローなのだ』と。


 そういった世論の変化もあってか――次第に国連はアクターたちの存在を公的に認めることはなくとも、黙認するようにはなっていった。

 ともすれば『民衆の思想を誘導しかねない』として糾弾されかねない“ライブ・ストリーム・バトル”が、規制を受けることなく世界中に配信されているのも、そのような背景があるからである。

 また日本国内閣総理大臣・江ノ島紅葉をはじめとした国連加盟国代表の半数以上がアクターたちの行いを賞賛し、彼らの活動を妨げないように働きかけたのも理由の一つだ。


 もし、人々が“全裸の楽園ヌーディストビーチ”を築くことによって、真の意味でわかりあえたのだとしたら。

 彼らは、その願いを否定した者たちだ。


 だが――同時に彼らは、その責任を決して放棄したりはしない。

 人類がいつか、神の手を借りずともわかりあえることを信じ――彼らは今日も、世界と対峙し続ける。


 “ほんのちょっとの勇気”と、“装いドレス”をその身にまとって。





 そして、あの戦いから1ヶ月――。


 西暦2031年2月末。横浜・某私立高校、昇降口前。


「あっ……………………番号あった」

「わ、わたしも……!!」


 掲示板に張り出された合格者番号一覧のなかに、手元の受験票に記載されたものと同じ数字があることを確認したアリスは、ほっと胸を撫で下ろした。

 すると案の定というべきか、隣にいた千歳が喜びのあまりこちらへ抱きついてくる。どうやら彼女も無事に合格することができたようだ。

 これで第一志望の高校に、また二人揃って通うことができる。


「うえぇん、よかったよアリスぅ……! あの窓すらない隔離された場所に閉じ込められた、地獄のような夏の英語合宿に参加してよかったよぉ……!!」

「に、苦手だったもんね、英語……ともあれ、ちーちゃんと一緒に合格できて本当によかった……」

「うんっ、うんっ……! あっ痛たた……!?」

「ああこら、また無理してはしゃいじゃうから……ほら、肩かして」

「ご、ごめんアリス……」


 アリスは大事な親友の体を支えて歩きながら、近くにあったベンチへと彼女を座らせる。

 ようやく一息ついた千歳の右脚には、まだ見慣れない義足ぎそくがはめられていた。

 機械の脚――といっても、表面は肌に近い質感と色合いになるよう加工が施されているため、遠目にみれば生身の脚とそこまで大きな差はない。いわくこれは“インナーフレーム”の技術を医療分野に応用した次世代型の義足であり、話を持ちかけられた千歳がモニターとして志願したとのことである。


 もっともこれはまだ開発中の試作品だということもあり、千歳もまだ完全には馴染みきれていないらしい。

 それでも日常の歩行などにはほとんど支障が出ていないことから、ひそかにアリスはその技術力の高さに感心していた。


「えへへ……いろんなことが変わっていくけど、あたしたちも早く慣れていかなきゃあね!」

「う、うん。そうだね……」


 前向きに笑いかける千歳とは対照的に、アリスはどこか後ろ向きな表情でそれに応える。

 この1ヶ月間、あまりにも多くの変化が起こり過ぎた。それは身の回りのことだけではなく、自分たちの住まう国や世界もだ。


 統治者たる“チドリ・メイ”が表舞台から姿を消したことにより、独立都市国家『トウキョウ』は事実上の滅びを迎えた。

 それによって日本政府はふたたび実権を取り戻すことができ、関東地区はバーチャル国家元首プレジデントの敷いた徹底的な鎖国政策から解放されたのである。


 だが、すべてが逆戻りになってしまったというわけではない。

 その最たる出来事こそが、世界中に存在するすべての軍隊の解体と、それらを総括した“統一国家軍”の発足だった。

 平和維持の活動とは武力によって抑えつけることではなく、抑止によって人々の暮らしを守ること――そのような意志のもとに、“国境なき自衛軍”は実現されたのである。

 そういった背景の裏には、世界中で現れるようになったアウタードレスと――それに立ち向かうアクターたちの存在があったということは、有識者たちの間において周知の事実でもあった。


 世界はきっと、正しい方向に向かいつつあるのだろう。

 まだ多くを知らないアリスにも、それくらいのことはわかる。


 だが――そんな世界全体で起きている変化など、たったいまアリスが心配していることに比べれば、ほんの些細な問題でしかなかった。


(あれからお姉ちゃんや逆佐さんと、たったの一度も会えてない……)


 最後に鞠華と話をしたのは、ちょうど1ヶ月ほど前にオズ・ワールドの敷地内でバーベキューを行ったときだ。姉のレベッカに関してはもっと長い期間会えていないどころか、連絡さえも取れていないような状態である。


 もちろんアリスとて、相手の事情を察せないほど子供ではない。

 それこそ鞠華や他のアクターたちは世界中でドレスが現れるようになった影響により、以前よりも出撃する頻度が高くなっている。

 これについてはアーマード・ドレスを世界各国に分散して待機させることで、どの場所でドレスが現れても迅速に駆けつけられるようになった……という噂がネット上に書き込まれていたりもしたが、真偽のほどは定かではなかった。


 だがもしこの噂が真実だとすれば、鞠華は本当に日本から離れてしまっているのかもしれない。

 アリスに対して、別れの言葉の一つもなく……だ。


(まだちゃんと返事、聞けてないのに……それに、約束も……)


 話したいことが、たくさんある。

 行きたいところだって色々ある。

 でも、まずはとにかく顔がみたい。

 元気な姿をみせて、この騒ついている小さな胸をはやく安心させて欲しい。


「逆佐さんのバカ……」


 やりきれない気持ちを小さく吐き出した、そのときだった。


「ん? 呼びましたー?」


 いきなり声をかけられたアリスは、驚きのあまりビクッと肩を震わせる。

 振り返るとそこには……ニット帽に星型のサングラスという、あからさまに不審者みたいな格好をした人物が電動車椅子に座っていた。

 アリスの見知らぬ……いや、微かに見覚えのある顔の輪郭をしており、妙に耳馴染みのある声を発し、少女のような服装を着ている少年。

 そんな彼を見るなり、アリスはまるで目の前にいた死者がゾンビとして蘇ったように目を見張ってしまう。


「さ……さ……逆佐さぁん……っ!?」

「し、しーっ! 今日はお忍びだから、あんまり大声は出さないでぇ……あっあと二人とも合格おめでとうっ」


 慌てて人差し指を口の前で立てながら、その人物――逆佐鞠華は周りの目線から免れるように帽子を深くかぶる。

 アリスはハッと口を両手で覆ったあと、改めて小声で耳打ちするように訊ねた。


「ど、どうしてここに……? っていうか、今までどこにいたんです……?」

「いやあ、最近は出撃のとき以外はずっとリハビリしててさー。外出しようにも、水見さんがなかなか許可してくれなくって……」

「リハビリって……」


 そこまで言われてアリスはようやく、その意識を鞠華の座っている電動車椅子へと向ける。

 かかと受けに乗せられた細い脚は、見たところ外傷などはとくに見受けられない。しかし注意深く見ると、その脚は先程から同じ姿勢のままほとんど動いておらず、おそらく自力で立つこともできないような様子であることがわかる。

 理由を聞きたそうな顔をしているアリスに気付き、鞠華は心配させないためか冗談っぽく笑いながら話す。


「1ヶ月前の戦闘でちょっと無理し過ぎちゃってさ。ああでも大丈夫、リハビリすればちゃんと治る怪我だって言われたから……!」


 簡単に説明して誤魔化そうとする鞠華だったが……実のところ彼の身体に起きている症状は、見かけよりもよほど深刻なものであった。


 戦闘中にゼスマリカとの適合率を過剰なまでに高めてしまったことによる“身体的違和感”の増長。またそれに伴う感覚機能の低下と、歩行能力の衰え。

 それらが“マスカレイド・メイデン”の力を酷使してしまった鞠華が払うべき、あまりにも酷な代償である。


 もっとも、ゼスマリカに乗っている間は“身体的違和感”も解消されるため、操縦すること自体には何の問題もない。

 また“マスカレイド・メイデン”が先の戦いで消滅したことから、これ以上に症状が悪化する可能性も低いという。

 つまりリハビリさえしっかりと行っていれば、鞠華はまた以前のような生活に戻れるということらしい。そのため担当医である水見に極めて効率的かこくなリハビリのスケジュールを組まれてしまっているのだが、アクターとして人々を守らなければいけない立場上、はやく完治するに越したことはなかった。


「そうそう。マリカさんってば、毎日病院のリハビリルームで汗水流して頑張ってるんだよー」

「えっ……まさかちーちゃんも知ってたの?」

「そりゃ、あたしも最近は通ってるし……ねーっ、マリカっち!」

「うんうんっ! 千歳ちゃんがこう見えて実は濃ゆーいニチアサ作品ファンだってことが判ってから、休憩中はずうーっとその話で盛り上がってるもんね!」


 いつの間にか名前で呼び合うような仲に発展していた二人(親友と告白相手)を見て、アリスはなんとも言えない気持ちになってしまう。

 その感情が単なる嫉妬心なのか、はたまた誰も話してくれなかったことへの悲しみなのか……それを自分の中で判別するには、アリスはまだ若すぎる。

 ただ、どうしようもなく気持ちを抑えられなくなって、気がつくと彼女は鞠華の胸に飛び込んでいた。

 突然のことにビックリしている鞠華と千歳だったが、気にする余裕もないアリスは胸の中で泣きじゃくる。


「ずっと心配してたんですから……っ! 無事だったんなら、せめて連絡くらいしてください……!」

「ご、ゴメン……アリスちゃん。悲しませるつもりはなかったんだけど……」

「あたしからもゴメンね、アリス。本当はただ、今日の合格発表の日にアリスを驚かせたかったってだけで……」

「もう……ヒドいよ、二人とも……」


 本当に、洒落にもならないサプライズだ。

 こんなにボロボロな状態で、本当なら自分のことだけでも精一杯だろうに。

 わざわざ『驚かせたい』という理由だけで、あえて連絡すらも寄越さなかったなんて。


 本当に、彼らしい。

 あんなにも遠くに行ってしまったと感じていた彼は、結局のところ何一つ変わることなく、自分のところにまで会いに来てくれたのだ。

 そんな彼の姿をみてアリスはやっと、“日常”に欠けていたピースが少しだけ戻ったような気がした。


「ほんと、ヒドいです……ちゃんと責任、取ってください……」

「責任って……ちょっとマリカさん、あたしのアリスに何したんですか?」

「なっ、何もしてないよ……!? ねっ、アリスちゃんそうだよねっ!?」

「だって……約束もしたのに、急にいなくなっちゃったじゃないですか……っ」

「いなくなった……って、まさか逃げたのっ!? 『責任を取る』っていう約束までしておいて……!?」

「ご、誤解だよぉ……!?」


 とても相互理解が出来ているとは言い難いやり取りをしばらく続けていた三人であったが、そこには簡単には切れないであろう絆が、確かに存在していた。


 誤解なら、ゆっくりと時間をかけて解いていけばいい。

 自分たちには、明日があるのだから。


 どこまでも続いていく、明日が――。





「フフフ、相も変わらずアオハルしとるのう……」


 路上に停められている一台の自動車。

 その後部座席に座っている少女は、車窓越しに何かを眺めながらそう言った。

 やがて彼女は満足げに視線を前方へと戻すと、運転席に座っている人物へと声をかける。


「さて、わし達もそろそろ定例会議に向かうとするかのう。なっ、ティニー=アーデルハイド=江ノ島!」

「……よくもまあ、敵だった私にそんな軽口を叩けるな。まったく、神経が図太いというか……」

「まずはその男性口調を直さんとなぁ。婚期を逃すぞー?」

「くっ……! しゃ、喋っていないではやくシートベルトを閉めろ、この死に戻りが……っ」


 ティニー……もとい紅匠は、亡き父親の跡を継いで“オズ・ワールドリテイリング日本支社”の支社長に就任していた。

 現在はアクターとしての活動も継続しつつ、出撃がない時は社長としての業務に勤しんでいる。今もこうして車を運転しているのは、取引先との商談をした帰りだったからだ。


「しかし社長になった癖に、運転手を雇わないのはなんでじゃ?」

「フッ、他人がハンドルを握った車になど乗りたくもない……。ましてや私のこの大事な愛車で、下手な運転をされては困るのでな」

「あぁ……やはり、こういう趣味に走っちゃってる感が原因かのう……」

「なにか言ったか」

「さあ? きっと風の音じゃよ」


 老人のような口調で喋る少女は、バックミラー越しに睨んでくる匠にもまったく悪びれずにそっぽを向く。

 先ほど“死に戻り”と罵られたばかりではあるが、実際のところ彼女――新たに製造した器へと記憶を引き継いだオズワルドは、“余生”ともいえる毎日を実に楽しみながら享受しているのだった。

 そこにはかつてのような黒幕としての底の知れなさは微塵もなく、無邪気そうに笑うその顔はまるで、本物の子供のようでさえある。


「しかし、本当にあんたはあの“世界ディザスター”を起こそうとしたオズワルドと同一人物なのか? 正直なところ、私もまだ半信半疑だぞ」

「さて、どうかのう。これから次第では、また人々の前に“オズワルド”が蘇ることもあるかもしれんぞ?」

「これから次第、か……結局あんたは、事と場合によってはまた世界を滅ぼす気でいるんだな」

「むぅ……滅ぼすとは人聞きの悪い。わしの人類に対する“愛”は、そう簡単に潰えるようなモノではないということじゃ」


 『ただ……』と、オズワルドは言葉を紡ぎながら再び車窓を見やる。


「少しだけ気が変わったんじゃよ。年寄りは年寄りらしく、しばらくは大人しく見守っていようと思ってのう。若造たちの切り拓く未来を──」


 もし、人類がまた行き詰まってしまったそのとき、傲慢な神オズワルドは復活を遂げるだろう。

 だがいまの彼はそれを急ぎすぎることもしなければ、当分は自分が動く必要もないとさえ思えるようになっていた。

 それは彼自身が一度は失望した人類にも、まだ微かに希望が残っていることがわかったからである。

 誰よりも悲劇的な過去トラウマに蝕まれ、それでも未来あしたを強く望んだ女装少年が──それを教えてくれたのだ。


「……それに、少なくとも『LANCERランサーxLANCERランサー』の完結を見届けるまでは死んでも死にきれんわい! 来月発売のゲームも楽しみじゃしのう!」

「……あんた、本当に楽しそうだな……ん?」


 オズワルドのどこまでも自由奔放な様に呆れつつも、匠が車を発進させるべくバックミラーを覗いた、そのときだった。


「お、おい……オズワルド。後ろ、後ろを見ろ……」

「む? いったい何じゃ、やぶからぼうに──」


 気怠げに後ろを振り向いたオズワルドだったが、リアガラスを隔てた向こう側にいる人影を見つけたとたん、一気に顔面を青ざめさせる。

 その人物──黒いゴスロリ衣装に身を包んだ少年は、フラフラとした足取りでゆっくりとこちらへ歩いてきていた。そして右手には、見覚えのあるナイフが握られている。


 かつてオズワルドが手懐けたアクターにして、執拗に彼をつけ狙うシリアルキラー予備軍いっぽてまえ

 飴噛大河、の人だった。

 

「はっ、はやく車を発進させるんじゃ……! いくら“バックアップ”があるとはいえ、死ぬほど痛い思いをするのはもうゴメンじゃあ……っ!!」

因果応報おまえのせいだろ……と言いたいところだが、今の大河あいつは何を仕出しでかすかわかったものじゃないからな……私も巻き込まれるのだけはゴメンだ……!」


 車を急発進させる二人追われるものと、それを追って走り出す大河追うもの

 どこまでも不完全で矛盾している、感情と理屈のすれ違い。しかしその“間違い”こそが人間の本質であることを、彼らはもう知っている。

 そしてきっと、彼らはこれからもその“間違い”を続けるだろう。


 だからこそ人は、“心の壁ドレス”を装うのだ。

 人と人とが関わり合う、どこまでも矛盾に満ちたこの世界と。

 一人一人が、自信をもって向き合っていくために。


 誰もがみな、誰かになれるのだから──。

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