応援コメント

弐 決断」への応援コメント

  • ここは説得力があるな、と思えました。
    あとで、単に物語の展開に必要な布石にすぎなかったとしても。
    一人称は、やはりそこが見えにくい。
    だからよくないというのではなく、物語をあたえられる読者というのは、さらなる展開への予感、期待感のようなものを原動力にしてページをくるものだと、読み手になってはじめてわかるところがありますね。
    ただ、読み手の過剰な要求(死すべきキャラへの助命嘆願とか)へのサービスとか、ただ胸がすくような超人的活躍を予感させればいいわけではないのはもちろんですが。

    作者からの返信

    「ひとたび会津へ来たりたれば、今、落城せんとするを見て志を捨て去るは誠義にあらず」
    と伝わる斎藤一の言葉をベースにどんな肉付けをすればドラマを見せられるか。
    喧嘩別れを描くのは簡単でしたが、私の力量で簡単な書き方などしてしまうと、登場「人物」ではなく矮小化された「記号」に成り下がると感じ、物凄く悩みました。

    京都・江戸編から今まで、限られた枠の中で、与えられた選択肢から次の道を選んできた斎藤が、ここで初めて枠を超えて自分の道を選びました。
    土方にも斎藤にも筋を通させなければ、物語が破綻します。
    憎いものに反発するのは簡単ですが、間違っていないものを拒まなければならない心持ちは苦しい。
    書き手としては、白虎隊よりこのシーンで泣きながら書きました。

    史実をなぞって書く場合、回収すべき伏線の着地点が先に置かれていて(しかも読み手がすでにそれを知っているケースもあって)、だから、どんな形で伏線を張るかの逆算、どんな演じ方をすれば形骸化させずに済むかの演出がとても難しいのだなと、一連の有名エピソードを書きながら思いました。
    全力でまっすぐに生きる人物をとにかく全力で書く、ということしかできないのが今の私の実状で、おかげでみんな馬鹿正直です。