コピープロテクト ハード編

 プレイステーションの頃。


 ハードウェア的に、コピーしたROMでは起動しないようにプロテクトがされていましたが、それを簡単な改造で起動する事ができるキットが秋葉原などで販売。


 メーカー側もそれに対抗して、その解除キットでは起動できないバージョンを次から発売。


 そうするとまた次の解除キットが売れる。


 メーカーが対応すればするほど不正キット販売業者が儲かる。


 事業を拡大してより高性能な解除キットが開発されるという悪循環。


 当時はそれを規制する法律がありませんでした。


 ゲームを壊れた時の為にバックアップする人間なんてまず居ませんからね。


 不正にダウンロードしたゲームを起動する以外の用途はありません。まあバックアップされて助かる例はあったかもしれませんが。


 まるでアルカポネ時代の禁酒法によって、マフィアが密造酒で財を築いたみたいな話です。


 それもあって法律の改正に力が入れられました。



 ROMのコピーの話に戻るのですが、


 プレイステーションは SONY製ですね。


 そして SONY は ROMドライブも発売していましたが、SONY製のドライブではプレイステーションのROMを焼けないようになっているんですね。


 当たり前と言えば当たり前です。


 自社の製品で、自社に不利益を与える片棒を担がせるなどあってはならない事です。


 しかしながらネットでのオススメドライブを紹介する記事では、「SONY製のドライブは止めた方がいい」という記事も多く見られた。


 理由は「プレイステーションのゲームが焼けないから」


 メーカーにしてみれば恐ろしい話です。



 余談ですが、


 プレイステーションのゲームを開発する際は当たり前ですが焼いたROMを使うんですね。


 社内で複数人数でデバッグするわけですから、複数枚数コピーしてチェックするわけです。


 当然市販のプレイステーションではゲームできません。


 開発用の機材ならプレイできるわけですが、車買える値段です。


 それを確認する人の人数分用意するなんて無理です。


 なので開発機材よりは安い、確認用のプレイステーション。要するに「コピーしたROMが起動できるプレイステーション」が別に販売されているんですね。


 これは一般には流通しない。


 個人売買すると契約違反になります。


 だけどこれ市販品よりは4倍高い。


 ニセモノと分かるよう色が違うんですが、CD-Rで動くというだけでそんなに高いはずはない。


 改造品もっと安いですからね。


 きっと塗料が高いんだろう……と皮肉を言っていたもんですが、筋から話を聞くと本当にそうだった。


 一般量産品ではないからそこまでの台数が出ない。しかし塗料はドラム缶でトン単位でしか買えない。従って一台当たりの単価が上がる、という何とも馬鹿らしい理由だったようです。


 不正品の方がはるかに安いという事態。


 さすがに2以降は改善されている様子ですが。

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