情けは人の為ならず

「教えてあげる事も出来るが止めておく。情けは人の為ならずって事で」


 大昔ではありますが、掲示板にそんな書き込みがありまして。


 ホームページ関連の質問板でした。


 そこで分からない事を質問してきた人に、回答者が放った言葉です。


 それを見ていた一人が「意味分かって使ってよね」と書き込み。


 また別の人が親切で、


「情けは人の為ならず、は人に対して情けを掛けておけば、巡り巡って自分に良い報いが返ってくる。だから困っている人を見たら助けてあげましょうって意味ですよ」


 と教えてくれた。


 意味を知らない者に上記の返答だけでは通じないと思ったんでしょうね。


 すると冒頭の発言者は、


「困っている人を見たら助けてあげましょうと思っているようですが、そうではありません。意味を違ってお覚えのようだ。本来の意味は『人に対して情けを掛けると、巡り巡って自分が情けを掛けられる立場になる。だから情けを掛けられるほど落ちぶれてはいけない』という意味のはずですが?」


 と書き込み。


 そして「意味分かって使ってよね」の人に、


「正しい意味を理解しないまま、いきなりそんな書き込みができるというのもある意味凄いなぁと思いました」


 との言葉を残してそのまま去ってしまった。


 親切な人は「思わず辞書を引いてしまいましたよ。失礼ですがあなたの説はどなたに習われたのですか?」


 と書き込み。それに続いて、見ていた人のありとあらゆる辞書からの引用が書き込まれ。


 WEB辞書から書籍まで。


 彼の説を支持するものは見つかりませんでした。



 まあ確かに『情けは人の為ならず』の言葉の意味自体は「情けは人の為ではない」というものでしかないですから。


 困っている人を見たら助けてあげましょう、というのは勝手な解釈だ。

 どう解釈するのかは人の自由だ。


 というのも間違いだとまでは言いませんが、これはコトワザですからね。


 ちゃんと意味と用途があるものです。



 まあそんな誤解釈をしていたわけではなく、何とかして自分が正しい事にできないかと一生懸命頑張ったんでしょうけれどね。


 本人は以降全く現れませんでしたし。


 本人は反論してその返しを一切見ずに自分的には気が済んだのかもしれませんが、


 誰もフォローしてくれなかった時、それを見て間違う人が現れたらどうするつもりだったのか。


 まあ知った事ではないんだと思いますけれど。



 やはりそういう人がネットで発言してはいけないと思うんですね。

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