害になるなら殺そう

 『野猫がその地域に生息するウサギを捕食しているため、生態系が破壊されている。希少種のウサギ絶滅の危機』


 という話題を以前取り上げた事があります。


 愛護団体の批判に繋がる記事でした。


 愛護団体を批判している人達の言い分は「害になる動物を殺して何が悪いんだ?」というものです。


 それが本当なら僕にとっても朗報です。


 仕事場にも害になる動物いますけど、殺して良かったんですか?


 違いますね。


 恐らくは彼らの周りにも害になる人間いるんでしょうけれど殺してないですね。


 つまり彼らが言っている事は真実ではない。


 自分達も信じていない理屈なんですね。


 真実は「人間は殺したら罪になるから」「野猫は殺しても罪にならない(と思っている)から」


 しかし動物愛護法も法律で、違反すれば処罰されます。


 罪が軽いからやる……なら罪を重くするしかない、とおかしな方向に進むのは、根本に嘘が入っているからなんですね。


 希少種のウサギを守る為――別にウサギも彼らのものではない。


 もっと言ってしまえばウサギが絶滅して何か困るのか?


 困ると言うなら初めから天敵と言える外来種を放さなければいい。


 そこに反省のないまま始末をつけようと言う思想が危険なのです。


 彼らの理論の先には人口が過密すれば殺人の意識が薄くなる世界しかない。


 というのも特別な事ではなく、世の中はそういうものがせめぎ合って出来ているものですから。


 仕事でも物事を根本的に解決しようという動きは疎んじられるものです。



 今回新たに公開した『忍武士』も主人公は同じせめぎ合いの中進んでいきます。


 特別上記の事をテーマとして意識したわけではありませんが、何が正しいのか悩み続ける物語でもあります。


 怪物が登場する現代におけるファンタジーですが、根本にはそういった現実社会の構図が盛り込まれています。


 見る人にそれが伝わるものか、というとまあ伝わりませんよね。


 それは別に良いのです。


「ゲームのお仕事」でも取り上げているように、そういうものは無意識に働きかけるものです。


 ……ってここでそう書いたら無意識じゃなくなっちゃうじゃん!



 まあいいか。

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