作品を酷評する
酷評というと語弊がありますが、
「何がダメであるのかを指摘する」
事に意味はあると考えています。
物書きの世界には「好評は一読し、悪評を熟読しろ」という言葉があるくらいです。
予期せぬ誤算で好評だった場合は検証する意義はありますが、大抵の場合悪い所こそ無くしておかなくてはなりません。
実際、製作において「面白さ」が重要視される現場はありません。
それは本だろうがアニメだろうがゲームだろうが同じです。
重要なのは「売れる物」。
面白さが議題に上がる事は絶対にありません。
なぜなら面白さを測る方法が無いから。
「売れる」根拠として「面白い事」が提示されるというだけで、それも直接「面白さ」という言葉でされる事はない。
こういうものが過去に売れている前例がある~、アンケートの結果消費者の期待度が~、面白そうと回答したユーザーがこれだけいます、と具体的な数値を出すだけです。
稀に企画やシナリオを出す時に、
「とにかく読んでください。面白いんですよ」
「どうです。面白いでしょ」
と言ってくる奴は例外無くダメな奴です。
面白さを上げるのは現場の仕事で、むしろそれは当たり前。
私に言わせれば、面白くない物を作ろうとする意味が分からない。
結局面白さなんてのは各人の趣向が近いか遠いかに過ぎない。
稀に面白さというものを全く理解していない人間が、売れ線の商品を真似しようとして、本質を理解していないが為に大失敗する事がありますが、そういう物でも少なからずファンは着く。
むしろ全く売れないなんてのは宣伝なり興行なり他の問題がある。それは内容がどうであれ結果は同じ。
コストに対して利益が追いつかないのが失敗になるだけです。
言ってしまえば面白い物を作っても、宣伝イベントに余計に金をかけ過ぎれば結果は失敗になる。
なので「面白さ」なんていう曖昧なものが吟味される事はない。
これは私の考えでも何でもなく純然たる事実。
しかしダメな所は違う。
誤植誤用があれば販売元の品格が疑われるし、
差別表現があれば訴えられる。
好みや趣向が合わないというのも、そういう人間がいるのなら世の中にはもっとたくさんいるという事が分かります。
しかし批評する側がプロではない事も多い。
間違った、頓珍漢な指摘をする事もありうるわけですね。
カクヨムの場合は、レビューだけを見る事が出来るシステムの都合と、批評する側のスキルを量る方法も無いので、一律誹謗中傷は禁止されているわけです。
なので希望する者に素直な感想を送る企画はとても有用なものだと思います。
まあ僕は参加しませんけども。
誇りを持っているというより傷付きやすいのです(ホンマか)。
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