キャベツのやつの話
とあるドラマで、
『シーンの背景に映っているキャベツ畑が、まんまスーパーで買ってきた奴を並べただけ』
という指摘で話題になっていました。
僕はそのドラマを見ていないのですが、
キャベツはあんな風に畑に生らない
スタッフは物を知らない
誰も指摘しなかったのか
と散々な叩かれようです。
言ってしまえばセットなんだから偽物です。
直接物語に関係が無いのなら適当に済ませる事もあるでしょう。
今適切な小道具が手に入らないからと言って、見つかるまで撮影を延期するなんてあるはずもない。
洋ドラマ『HEROS』でも日本の街並みが出てきますがどうみてもセットなんですね。よく出来てはいるんですけど、日本の街はこんなにキレイじゃない。
歩いている女子高生も明らかに日本人ではない。
それでも外国の人には区別できないから気にされないんですね。
指摘があったから目につくというだけで、そんな物は探せばいくらでもあります。
誰も指摘しないなら大半の人は気が付かなかったでしょう。
しかしリアリティを高めるというのも重要です。
僕も常々そういう細かい気配りが深みを出すんだと言っています。
しかしこういう騒ぎがあるたびに思うのは、
「面白いかどうかが重要であって、リアリティや矛盾は重要ではない」
と言っている人達は何をしているのか?
カクヨムだけでなく過去何人も相対した事があります。
「どんな意見でも」と希望するので言ってみたら、先の返しをしてくるのですね。
そう唱える人達は、そういう叩かれをしている人達を庇護しないのか?
何かやっているのかもしれませんが、結局炎上しているのなら、力及ばず世間一般的な見解ではない事が証明されてしまっているわけですよね。
「面白いかどうかが重要であって、リアリティや矛盾は重要ではない」
というのが間違っているとは思いません。
でもそれはどちらか一方を取らなくてはならない時に「面白さ」を優先するという意味で、矛盾点を探して直す時間を惜しむ事ではありません。
矛盾なんてものは無くて当たりです。
そもそも成立していないから矛盾なんですね。
だからこそ「どんな意見でも」と希望しているはずなんですが、指摘してあげてもあまり喜んでいるように見えない。
反対に「あなたはどうなんですか?」と言わんばかりに指摘返しをしようとする。
別に僕は希望していないんですけれども。
それでも指摘があるのなら言ってくれていいんですが、当人にそれだけのスキルが無いと「考え方に共感できない」と要するに「ソレが嫌いだ」みたいな指摘になる。
ロリが売りの物に「ロリは嫌いだロリコン気持ち悪い」とか言われても、そういう人もいる事は分かっているわけで。
悪い事はしてはいけない、というテーマの物に「共感できない」と言われても、危険思想を持っている人と解釈していいんだろうか? と思ってしまう。
交通ルールを守らなくては……、と人物の行動に制限が掛かって「そんな奴いるわけない」と言われても、そうかもしれないが、公開物として違反を推奨するわけにはいかないわけで(人物設定によりますが)。
そもそも指摘するのは「冒頭にあるような事になってしまうかもしれないので、考慮した方がいいですよ」と言っているだけなのです。
間違っていると思うなら違っている所を指摘すればよいだけで、当てはまらないと思うならスルーすればいい。
それを味方してくれる人を集めて正当化しても何にもならない。
冒頭にあるドラマも誰も指摘してないはずはないんです。
当の現場では誰も言わなかったかもしれないが、それならそれは過去に指摘した人がまるで悪者のように扱われた経緯があるから言わなくなっただけです。
先の返しのように、味方を集めてまるで指摘する事がおかしいみたいな空気を作る事に専念するのですね。
これはゲーム、アニメ業界でもよく見かけます。
プロにならないのなら関係ない話ですが、それなら初めから意見を希望しなければいいんです。
カクヨムでは誹謗中傷は禁止しているのだから誰も言いません(多分ね)。星だけ集めて悦に入っていればいいと思います。
なんか文句を言っているかのような文面ですが、実際文句を言っています。
そういうのがプロ入りしてゲーム化、ゲームのシナリオ書くなんて事は実際あるんですね。
そして誰がその矛盾点直すのか、と言ったら僕なわけですよ。
しかも大抵の場合、それタダでやるんですね。
その分の工数(仕事料)を要求する事はそのシナリオが使えない事を証明する話です。なので誰もそういう事実を作りたがらない。
文句を言う権利はあるのです。
冒頭のような「見た目」の不都合は大した問題ではないんですが、
ゲームの場合、時系列が違っていると問題だったりします。
フラグが合わず文字通り動作しない事もあるんですね。
単なるADVは問題少ないですが、仕様的に成立していない物を突きつけてくる事もある。
冒頭のキャベツの例で言うなら、「それ以前」と「それ以降」の世界が成立していないんですね。
売っているキャベツの絵からは途中の状態と繋がらないし、そのあと成長もしていかない。
ゲームでは映っていないシーンも生きているので、途中経過とその後の状態が存在するわけです。
こういう問題があるよ、と提示するんですが、返答は「そっちで解決してくれ」。
仕方なく僕が、
「皆で作っている菜園だったが、失敗してダメにしてしまったのでこっそり買ってきたキャベツを植え直した」
というイベントを途中に作って無理矢理整合性を合わせるわけです。
その後それがバレて騒ぎになるイベントなんかも増えて面白そうですが、
「何勝手にシナリオ変えてくれてんだ」
みたいなクレームが来ると「あまり仕事を舐めんなよ」と思うわけですよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます