仕方なくスペックを落とす話

 プレイステーション1はもうかなり古い機種となり、既に遊んだ事もない世代が入社するようになって久しくなりました。


 プレイステーションはデータのセーブにメモリーカードを使っていました。


 今は赤外線通信やネットのおかげであまり使われなくなりましたが、


 一部携帯ゲームにはまだ残ってたりしますね。



 このメモリーカード。


 プレイステーションにはスロット(差し口)が二つ付いていました。


 同時に二つまで差す事ができ、保存先を任意に分けたり、メモリーカード間でデータをコピーしたり出来たんですが、製作サイドとしては面倒な仕様だったんですね。


 まずはアクセス中に強引に引き抜く事が出来た。


 破損や失敗にもソフトウェアで対応する必要があったのですね。


 メモリーカード外付けだと壊れた時に替えが利きますが、接触不良やアクセス中の指し抜きの危険がある。



 制作側としてはその全ての問題に対応していなくてはならない。


 そしてスロットが二つあればその分問題が増えるわけです。



 ゲームの中には片側スロットにしか対応していないものがいくつかあります。


 片側対応だとセーブロードの時に逐一差し替えなくてはならない。


 二つ差しておいて任意に選択、または兄弟で使う側を決めている場合などには不便です。



 それでも片側のみ対応で発売する事が認められていたんですね。


 なぜ片側だけにするか。


 プログラムが大変な事もありますが、それは一度作ってしまえば使いまわせるものです。


 それでも片側だけにするのはチェック項目が増えるからです。


 要するにチェック時間が倍かかる。


 それも社外、別の会社の中で行われる事なのでこちらではコントロールできない。


 つまり発売が伸びる。


 大抵の場合発売は伸ばせないので製作期間が切り詰められる。ただでさえキツキツなのに削られる。


 仕方なく片側対応に、なんて事も。

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