批評をする側もスキルを量られる
クリスマスですね。
ウチでもクリスマス向け小説「Fairy Snow Xmas」を公開しています。
これ実際にはカクヨム公開よりも更に二年前に書かれた物なんですが、その時は別のサイトで公開して、そこで批評を頂いたのですね。
ネタバレにはなりますが物語の概要は、
ようやっと彼女が出来たばかりの高校生主人公は、
クリスマス前に誘われたデートの待ち合わせに出てくるが、毎日のようにすっぽかされる。
実際には彼女のいない主人公を悪い連中が騙しているだけなのですが、
一人ポツンと立っている待ち合わせ場所に、同じようにずっと立っている少女と会う。
クリスマスまでの数日間、毎日のように待ち合わせに来てはすっぽかされる主人公だが、いつしか一人立つ少女に会う事が目的になる。
その少女は雪の中驚くほどの軽装で、自分はもうすぐ死ぬのだと言う。人は死の直前に妖精を見る。彼女にはそれが見えるのだと言う。
真に受けない主人公だが、とてもヤセ我慢に見えない雰囲気に、気味悪い物を感じながらも放っておく事も出来ない。
本気で心配し、家に帰るよう勧めるが少女は動かない。
イブ前日、明日も来てくれれば帰るという少女に、約束はせずその場を去る。
イブ当日、ホテルで待つ彼女に浮足立ち、向かおうとするが主人公は少女の事が気になる。
どちらに行くべきか逡巡する主人公の心は、少しだけ少女の方に傾き、そこでホテルが爆発炎上。
唖然とする主人公に彼女からのメール。
彼女はホテルにはいない。騙されていた事に気が付くが、ここで死ぬはずだったのは自分なんだと悟る。
死ぬのは自分で、自分が妖精を見ていたのだと。
少女の立っていた場所にはぽっかりと穴が開いたように誰も居ない。
悲しみに打ちひしがれる主人公の前に、人間になった少女が現れる。
というお話です。
結局少女が何者なのかという事は劇中では語られず、主人公と読者の想像に任せています。
幕間はカクヨムで追記された物で最初の公開時にはありませんでした。
そして感想の書き込みに、
「謎なのは、どうして彼女が主人公を殺そうとしたのか。それが分かればもう少し評価が高かった」
というのがあったのですね。
うーん、確かに謎ですね。
彼女が爆破の犯人だったんですね。
驚愕の事実に僕もビックリです。
しかしどの辺りで彼女が犯人だと気が付いたのでしょう?
ん? それが分からないから評価が低いんでしたっけ?
動機が分からないのに犯人だと思ったのはなぜなんでしょう?
うーん。確かに謎です。
実はこの企画。
感想を皆で書けるのですが、企画の間書いた感想は伏せられていて、一定期間後に一度に公開されるシステムだったんですね。
その意図は他の人に流されていない感想を聞ける事にあります。
そこはカクヨムと違い、批判中傷が横行する傾向にあったので主催者が工夫を凝らしたものです。
そのシステムは多くの利用者から不評だったのですが、これを見るとその訳が分かる。
皆自分の感想が核心を突いているかどうか自信がないんですね。
誰かが感想を書くまで待ち、その感想に倣った感想を書く事で自分も批評ができる側に入ろうとする。
だから他の人の感想が見えなくなった途端にボロが出てしまう。
カクヨムでも取り上げている人はいますが、最初の感想批評に次の人は引っ張られる。先入観を持ってしまう。
それが証明された事例でもあると思っています。
ただ感想をくれた人はそんな中でも飛び込んでくれた勇気ある人であって、その心意気は称賛するべきものです。
大半の人間はそのシステムになった途端そもそも参加しなかったですからね。
そうなる事がある意味分かっていたからなんですね。
感想が公開された時に他の感想と全く違っていたら、と思ったわけです。
とりあえず褒めておけばいいと言うのもそれはそれで違う気がするので、何とも言えないものですが、
ただやはり批評する力量がない者は、批評などせずにただ通り過ぎればいいのだと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます