「この状態で発売する気だったのか?」

「この状態で発売する気だったのか?」


 いったいどういうつもりなのか。それはプロとしてどうなのか。


 と怒りで顔を真っ青にした人が来た。


 いったいなんですか? とよくよく聞いてみると、


 完成した部分からデバッグに出しているが、そこで大量のバグが挙がってきた。


 デバッグに出すという事はそれを完成品として提出したという事、それで


「この状態で発売する気だったのか?」


 という言葉に繋がったようです。



 まずこちらはデバッグに出しているという話を聞いていない。


 なぜデバッグに出したのか?


「スケジュールでは~に完了している事になっているから」


 完了したと言ったのは誰ですか?


 当たり前だが誰もそんな事は言っていない。


 確認も何もせずただ流して問題になった。


「それはその担当者の問題で、それはきちんと叱ってある」


 今回怒鳴り込んできた人はプログラマーのチーフで、プログラム作業が完了していないのはなぜかと言いに来たという事らしい。


 理由は単に「仕様」が出来ていないから。


 こちらは何を作ればいいのかも分かっていない。


「仕様書に一応指定はされている」


 仕様書を開いて見せられる。


 テキストにはほとんど何も書かれていないが4コマみたいなコンテ絵は張り付けられている。


 一応こんな流れです~というのが分かるものになっている。


「少なくともこの形には出来ていたはずだ」


 いや、これが完成ならそうでしょう。


 企画本人が「未完成」だと言っている物をなんで勝手に作るんだ。


 こちらが暇で何もする事がなければ、サンプルを兼ねて今できる物を作る事はあるけども、一度作ったボス戦を根本から仕様変更あって作り直している最中です。


 大体仕様書に張り付けてある絵など仕様として信用できない。


 大抵は「古い」「イメージ」とかで本仕様とは離れているもんです。


 後から変更あっても文章はすぐ直せるが、絵までは直しが間に合っていない事が常なのでね。


 実際探せば絵と内容違っている仕様はなんぼでも出てきます。


 さすがにそれは説明すれば理解できたようですが、


 テンパっていたのだとは思いますが、リーダーとしてどうなのか。


 やはりそんな体制を持っている所が作るものは、その程度のものに納まるという結果のものになります。

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