能力のある者を採用する

 企業が採用したいのは能力のある者です。


 実際、世界的に名のある企業が採用試験に用いられている問題というものがありました。



 ある人が、

 鶏を8元で仕入れ。

 それを一旦9元で売り、

 そしてそれを10元で買い戻した。

 そして更にそれを11元で売った。

 その人はいくら儲けたのか。



 ネット上では答えが分かれ、賛否両論あったという話でしたが、


 僕の場合、


 8で仕入れて9で売り、+1

 10で仕入れて11で売り、+1


 計2元の得、


 とシンプルに回答。



 でもこれは不採用の答え。


 違うと聞いてその真意が分かった。



 要するにこれは、間に一旦売る事をしなければ3元の儲けがあったのに、


 2元しか儲けなかったから、1元の損をしている。


 という考えなんだ。



 正解を見ると確かにそう。


 結果は不採用なんですが、これは別に能力の高さを見るものではないんですね。


 採用となる答えが正解なわけでもないです。



 これは「雇用側と、就労側の思想が一致しているか否かを見る」ものなんですね。



 出題側の意図が分からないのだから、1元の損と答えても場合によっては「単純な計算もできない人間」として切られる可能性も十分にあるわけです。



 これから共に働くのだから、思想が一致している事はとても重要です。


 そこを無理に入っても、思想についていけないなら、どの道やっていけない。



 僕も採用側として入社問題を作った事があります。



 そこに一つ、


「インフレとは何の略か答えなさい」


 という問題を入れました。



 結果としては「インフレーション」ではなく意味を回答する者が約半数といった所でした。


 問題の意図は、「質問文を的確に理解して回答ができるか?」です。



 恐らく中には「問題文が間違っているのではないか?」と気を回して回答した人もいたかと思います。


 あとは単純に早とちりして書いたか。



 仕事において割と多いのは、


 指示を聞いたが、それが理解できないのか納得できないのか「きっとこれはこういう事を言っているんだろう」と誤解釈して違うものを上げてくる。



 そういうタイプかどうかを見るものです。


 自己補正して臨機応変な対応ができる人をメインに探しているわけではなかったからです。



 しかし、これはそれで採用不採用を決めるものではないです。


 採用した際に、「この人はそういう所があるから注意する」と参考にする為の物で、


 問題の冒頭にもそれは書いてある。



 実際のところ採用を決めるのはフィーリングによる所が一番大きい。



 もっと言ってしまえば能力が高ければ、それで採用するわけでもない。



 当人が、ここで力を存分に発揮できない、将来を保証してあげられない、のならば採用するべきではない。



 ゲーム会社などは特に名前ほど中身がちゃんとしているわけではない。



 人が人を判断しようなどという事は、おこがましいと思うのですよ。





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