興味がある学問は何ですか?

「興味がある学問は何か? と問われたら、とりあえず天文学だと答えとけ」


 高校時代の理系教師に言われた言葉です。



 これから面接とかがある時にそう言っておけばいい。


 何が好きか、何が得意か、何に興味を持っているか。確かによく聞かれる事でしょう。


 興味がある、というのは別に修めている必要はない。


 宇宙の広大さに興味があって、それを知りたいと興味を持っているだけだ。


 天文学について深く言及してくる者はまずいない。


 何か凄そうな奴だという印象を与えるのには十分だという事でしょう。



 確かに真に自分に興味があるものが見つかるまでは、そう答えておいてもいいかなと。


 それ以来、僕はそう答えるようにしているのですが、まあたまたまか幸か不幸か一度も聞かれた事は無いです。


 そして今、何に対して興味を持っていますか? と問われたら僕は迷わず「量子力学だ」と答える。


 創作に関わる仕事だし。


 SF作家なら相対性理論について調べるのは当然だし、コンピューターをやっているという事は量子物理学と密接な関係にある。


 はたまた異次元、心霊、前世、転生輪廻、タイムトラベル。


 これらは全て、相対性理論、量子論で説明できると言うのです。


 僕は自分で作るものには量子物理学で説明できない事は盛り込まない。


 まあそれは何か統一した物に基づいて作らないと、知らないうちに御都合的なものになっていても気が付かない可能性があるならなのですが。



「量子力学のどこに興味をもっているのですか?」


 と問われたら、「奥が深い所」とでも答えておけばよいです。



 まあそれでも突っ込んでくる人もいるかもしれません。


「あなたにとって量子力学とはどういうものですか?」


 とか聞かれたらさすがに困ってしまうかもしれませんが、


 まあそうですね。


 今ある学問と言うものは基本的に先人が解明したものを習っているだけのものが多いが、


 量子力学においては未だに解明されていないものが――未開の地が存在する。


 未だ開拓の余地が残っている学問である、という所でしょうか。



 相対性理論を唱え、量子論の礎を築いたアインシュタイン先生でさえ、最後まで量子論には否定的でした。


「神はサイコロを振らない」


 というのが信念であったのでね。


 確率論である量子論を絶対的に否定していたのです。


 後の物理学者は晩年のアインシュタインを「まるで最新鋭の兵器に未だ騎兵隊で向かっているようなもの」と揶揄したそうです。


 しかし僕はアインシュタイン先生のアプローチは決して間違っていないと思うのですね。


 粒子、つまりは「粒」だと考えられていた「光」が後に「波である」と改められ、皆それに従いこれまでの常識を見直しましたが、


 そのうち壁にぶつかり難航した中で、


 再び「やはり光は粒なんだ」と思い直してその壁を破った。


 その壁を破った一人がアインシュタイン先生なわけです。


 正確には光は粒でもあり波でもある。両方の性質を持つという新しい考えなのですが。


 現在の量子論も同じだと考えています。


 世界は曖昧なもの、という確率論から確定したものを見出す事で、量子論は更なる一歩を踏み出せる、真理に近づけるのではないかと考えています。


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