仕様ってなんだろう
ゲームに限らずシステム関係の仕事はまず仕様を決めて、それに合わせて作業をする。
そんな難しい話ではなく、
アイドルのイメージビデオを作ろうと思って発注した後、写真ばっかり上がって来たんではダメですね。
相手が外国人だった場合、あながち笑いごとではなかったりします。
そしてコンピューター関係の仕事は、プログラム、デザイン、プロデュース。畑が多種多様。もう外国だと思った方が良い。
映像造るのに写真が上がってきて、止む無くスライドショーみたいなものになる。
他のイメージビデオと比べてクオリティが落ちる、なんて事も結構あります。
だからそういう事がないよう、事前に打ち合わせをして、祖語が無いようにするのですが、
簡単にはいかない場合が多い。
映像と写真は極端ですが、同じ写真でもデータ形式が違いますね。
jpeg, bmp, png, gif と一般的な形式でも様々。
今時はあまり気にしないとは言え、他のメーカーから落としてきた物が開けない、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
だいたいは変換が出来るので問題にはならないですが、写真の場合でも圧縮、無圧縮と大きく分かれます。
データ圧縮と言うのは画像映像などのデータのサイズを小さくするものですね。
インターネットを経由してデータを送信する場合、データは可能な限り小さい方が速いです。
画像の場合、普通は非可逆圧縮――つまり小さくなるけど画質が悪くなる形式を使います。
多少荒くなっても見るのに問題はない。速い方がいいというわけです。最近は画質の低下もかなり少なくなっています。
しかしこの感覚を、そのまま仕事に使う人が増えてきています。
素材を納品する場合は無圧縮でなくてはなりません。
素材はその時に可能な最高クオリティのものを上げてもらって、使用する側の都合に合わせたデータ形式にする必要があります。
今は事情も変わっていますが、家庭用ゲーム機などの場合、ハードがウェアがそもそも圧縮形式に対応していない事もあるのですね。
その場合、圧縮されてデータを無圧縮に変換するのですが、そこで劣化した画質は元には戻らない。
ではその画質の劣化は何の為に起きているのか? という事です。
一枚絵の場合はあまり起こらないですが、動画となると起きる可能性も高くなります。
データサイズが大きすぎて、無圧縮では転送できない。
インターネット経由では送れないし、DVDに焼く事も出来ない。
データが大きすぎて送れませんので圧縮しました、と平然と済ます。
デジタル業界では有り得ないですが、発注先が映画やアニメ会社の場合もあるんですね。
そういう所には理屈が通じない。それは仕方ありません。専門外なわけですから。
問題はそれを平然と受け取ってくる制作です。
本来ならば、なぜ無圧縮でなければならないのかと言う事を説明して回収してこなくてはならない。
しかしどうしても先方がやってくれない。
残念だが今回のそのクオリティで行くしかない、とディレクターが判断するなら止むを得ない事です。
相手に分からせる、という事は要するに「あなたは理解していない」という事を理論立てて説明する事になるわけですから。
「お前は素人だ」と相手に突きつけては、事態がより悪化する事もあるのです。
結果クオリティがより下がってしまうのであれば本末転倒ですからね。
断念する事も理解できなくもない。
次回はより分かっている所を選ぶか、事前にきちんと申し合わせをしようと進める事もあります。
やれやれ、とそのまま開発を続け、ロムが形になった頃に画質に対して文句をつけてくる。
このクオリティで行く、と決定したよね?
と確認すると引っ込んで、他の例を持ち出してきた。
「他のゲームではこのクオリティで再生されている。だからシステムに問題がある」
他のゲームは無圧縮でデータ回収しているからだよね?
と言った所で他の会社です。証拠があるわけでもない。
ムービーの再生はまずハード依存なので提供されているライブラリを使用しているだけ。
プログラマーが個別に組んでいるのではない。
何を言っても何とかして画質が悪いのをプログラムのせいにしようと頑張ってくる。
先にさんざん説明したのを何も理解していなかった事になる。
なぜあの時、しつこく無圧縮のデータを貰うように言ったのかは、こうなっては困るからだよね?
と言った所で、そもそもそういう問題を起こす奴。
2カ月の前の事を覚えていない始末。
何か知らんけど、言われてるから謝っとけばいい。
後になって画質が悪いと上に言われたからそのまま言っとけばいい。
苦労して出来ない事を説明しても、結局それを上に説明する事も出来ないから、
「じゃあ休日出勤してください」
クオリティを上げる為に頑張っています、というポーズを取りたいだけ。
実際何もする事はないの関係ない事をやるしかない。金は出ない。
実際にはそんな制作だからそんなクオリティの物になるというだけですけどね。
昔はCDに焼く事ができないほどのデータ転送は苦労しました(当時はDVDもなかったので)。
CDを隔てて焼けるツールもありましたけれど、それでも何十枚にもなる。コピーだけで大変です。
そこでバイク便でHDDをまんま送ったりした事もありましたね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます