コミュニケーション力って何だ?
以前コミュニケーション力について取り上げた事がありますが、その続き。
新しい現場で「コミュニケーション力に自信はあるか」みたいな事を聞かれる機会があるのですが、
前回も取り上げたようにコミュニケーションは一人で成立するものではありません。
双方のコミュニケーション力が均衡して初めて成立です。
ではこの「コミュニケーション力」とは何なのか?
ゲームのキャラクターなら「コミュニケーション力」というパラメータを用意して、高ければ交渉が成功する率を上げるなど非常に分かり易いのですが、
現場でもコミュニケーション力をそういうものと取り違えている人がいるように思います。
これらは一つの能力ではなく、
・語学力
・記憶力
・語彙量(知っている言葉の数)
・専門知識
の事を言っている場合が多いのですが、
記憶力の高い人は低い人と会話が成立しませんし、
語彙量の多い人は少ない人と言葉が通じません。
語学力が高くても一つの言語しか理解しない人には意味がありません。外来語も通じません。
つまり能力が高ければ話が通じるわけではない。
そういう話をすると大抵の場合、能力の高い人は低い人に合わせられるはずだ、みたいな事を言ってくるのですが、
そもそも彼らの言うコミュニケーション力とは結果論なのであって、パラメータ数値で表されるものではないのです。
大が小を兼ねるものではない物に大小を当てはめている時点でおかしい話。
結果論。
つまりそれは結局「コミュニケーションを成功させる事に長けた能力」というわけです。
コミュニケーションを成功させるのに上記の能力は全く必要なく、
私は外国の方と接する機会もありますが、コミュニケーションに困った事はありません。
マッサージ屋さんの店長は外国人で、店員はほとんど日本語ができないという事も珍しくありませんが、
コミュニケーション取れなかった事はないです。
海外に行って夜の人気のない路地で、知らない人に拳銃を突きつけられたら、
この人は、金銭を要求していて、断ったら自分に危害を加えると言っているのだな。
という事は分かります。
実際、海外で訪問宅を間違えて、住人に拳銃を向けられて「動くな」と言われたのに、にこやかに歩み寄って撃たれた例が存在します。
彼は「フリーズ」という英語が分からなかったわけでもコミュニケーション力に問題があったわけでもなかったでしょうけれど、死んでしまったわけです。
国際的には彼にコミュニケーション力が無かった為に起きた間違いなわけです。
動くなと言っているにも拘らず、それが通じずに動いたから正当防衛で撃たれた。
でもおそらく彼は日本ではにこやかでさわやかな、コミュニケーションに長けた人だった事と思います。
これらを踏まえると、「その場その場で適切に空気を読む能力が高い」事が「コミュニケーション力が高い」と言えるのではないでしょうか。
もしかしたらこれには賛同する人多いのではないかな? とも思うのですが、
これには大きな穴があって、
「その場その場で適切に空気を読む能力が高い」というのは波風立てない能力なのであって、
コミュニケーションは全く関係ないんですね。
偉い人に媚びへつらい、絶対「ノー」「分かりません」を言わず、全て「分かりました」「理解しました」と言う者がいた。
起きる問題は全て作業者。自分は作業しない。
彼のコミュニケーション評価は非常に高いのですね。
コミュニケーション力に問題があるのはその下の作業者というわけです。
問題が起きてから、それが正しく伝わっていなかった事にすればいいわけです。
問題発生を防ぐ事はできません。なぜなら間に入っている者がまず理解していないからです。
必要な情報を受け取っていないからです。そこをいくら突いても正しい情報は降りてきません。
余談
ではそこを飛び越して正しい情報を得て来ればいいのか、というとそれは違います。
そういう人間はそこをシャットアウトしていて、直接コンタクトする事をブロックしています。
それ自体は問題ではなく、先方にいい顔をするのは会社にとって重要な事です。
これは会社という壁がなくても部署間でも同じ事が言えます。
結局そこより前の段階で、コミュニケーションが破たんしている、というよりコミュニケーションを放棄しているんですね。
何度か取り上げた事がありますが「何もしなければ何も問題は起きない」
コミュニケーションを取らなければ、コミュニケーションの祖語は発生しない。
これをコミュニケーション力が高いように見せている。
そこで発生する問題を、より立場の弱い者に転換する事で解決を図っている。
人間、精神的な障害を抱えているのでもなければ、そんなにコミュニケーション力に問題は出ません。
もし、あなたがコミュニケーション力に難があると評されているのなら、あなたは現場にとってなくてはならない存在です。
あなたがいるから現場は円滑に回っているのです。
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