問題と言うものは「作る」物

 問題を起こさない確実な方法は、


「何もしない事」


 というのを以前取り上げた事があります。



 何もしなければそこに問題は発生しない。


 逆を言えば、問題と言うのは人が作る物だという事です。



 中には自分達の取り仕切りの不備を誤魔化そうとして問題を作る輩もいます。


 仕様やスレジュール管理など、基本的な事が出来ない所では珍しい事ではなく、


 大なり小なりはあれどよく見られる光景です。



 それらを放置して行き着く所まで行くと、こんな事も起きます。


 家庭用ゲームでの不具合報告

「メモリカードを差していないのに、データ読み込まれた」


 これが不具合です。原文ママ。


 僕を高く評価してくれるのは嬉しいのだが、いくら僕が天才でも、そんな不具合は起こせない。


 知らなかった。僕に才能が、と一人ウケてましたが、


 メモリカードを差してなければデータの読みようがない。


 電源入れてないのに動き出したら、それは不具合ではなく怪奇現象です。


 今はバッテリーで駆動もしますが、バッテリー差してないのに動き出したらやはり怪奇現象です。


 差してないメモリカードからデータ読んだらやはり怪奇現象です。



 では実際何が起きていたのかというのをヒアリングしてみると、


 当時のメモリカードを必要とするゲーム機では、起動時にメモリカードが差さっていないと、


『このままではデータを保存できません。このまま開始しますか?』


 と問い合わせていたのですね。


 そこでメモリカードを差して、問いに「いいえ」と答えるとデータが読み込まれた。


 これが不具合だ、というワケです。



 まあこれだけでは分かりにくいかもしれませんが、要するに普通。どのゲームでも同じ作りになっています。


 これの何が問題なの? と聞くと、


「これでいいんですか?」


 これでいいよね?


「じゃあいいです」


 いやよくないだろ。ゲームやった事ないのかお前は。


 当たり前ですがそういう現場は仕様も作らない。


 一般的なゲームの基本の流れも知らない者がゲームのディレクターをやっているというのなら外れて貰わなくてはならないが、


 問題を一生懸命作ろうと頑張っているだけなのなら、ただの無能。


 後者の方がこれから仕事をしていく上では評価が少しだけマシなのではないだろうか。


 まあさすがにソイツはすぐクビになりましたが、


 問題はそういうヤツにディレクター職を与える人間もですよね。


 ソイツもクビになりましたけど。

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