すばらしき人達 1 バグがないから

 僕の師匠に当たる人の話。


 プログラムを見直している時に、


 随分と無駄の多いプログラムがあったので、


「無駄が多いんですけど、直していいですか?」


 とリーダーに聞いた。


 だがそのリーダー、つまりは師匠の師匠に当たる人だが、


「ダメだ。触るな」


 無駄がある、という事は「他の人が読み難い」とか「処理に余計な時間がかかる」など問題はある。


 それを触るな、というワケは。


「バグがないから」


 古くから使っていて、バグがない事が実績として証明されているプログラムは、安心して使えるが、


 手が入ってバグが新たに入ったかもしれないプログラムは安心できない。


 バグのチェックと言うものは簡単ではなく、結局はゲームは止まってしまうが、どこにバグがあるか分からない。


 これが一番の問題です。


 そういう時は消去法で、「ここにはバグがない」と怪しい部分を絞り込んでいきます。


 その時に、手が入っていると「先の修正が原因かもしれない」となるわけですね。


 触っていなければ「ここには絶対ない」と範囲を狭める事ができるのです。



 しかし当たり前のようで、ここ最近はそれができない人が増えている。



 何も問題がないのに、無駄を指摘して直させる事で、自分の方がスキルが上である事を周りにアピールする。


 直させて、後日バグが出たら「バグを出す奴」という自分よりも下である事を周りにアピールする。


 きちんと直してはいけない理由を説明すると「もうこっちで直す」と勝手に触って、結局バグが出てそれを僕が直している。



 なんて事は割と日常。


 さすがにこれを「頭のおかしい人」に分類すると業界の1/3が頭のおかしい人になってしまうくらいよく見る光景です。


 アクションRPGの元祖とも言えるゲームを作った人達の言葉はやはり重みがある。

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