頭のおかしい人 3
オンラインゲームの運営にいた時の話(現在は配信終了しているものです)。
まだベータテスト(本公開前の一般ユーザーも参加するテスト。まだバグがあるかもしれないバージョン)の段階ではあるのですが、
ユーザーがその時作ったデータはそのまま本編で使えるというものです。
アイテムショップで売り買いする物の価格にバグが入った事がありました。
価格設定が間違っていて、売値よりも買値の方が高くなっていたのですね。
要するに買ったものを、別の街に持って行って売ればお金を儲ける事ができる。
数人がそれをやりました。
それを運営は不正行為として強制アカウント削除の対応をしました。
その対応が正当か否かという話なら、結論から言うと正当です。
バグを利用しての利を得る行為は不正行為とみなす、と規約で決められています。
しかしここで問題となるのは、
ユーザーからは何がバグで何が仕様なのかが分からない、という事です。
別に普通に売っている物を、遠くに運んで高く売るのはただの貿易。
そういうものかと思うかもしれない。実際利益自体は法外な物でもない。
しかも一つだけ売り買いしただけでも不正と見なしてアカウント削除。
ユーザーは全ての物品の価格をいちいち覚えていません。
ユーザーから見れば、何か知らないけど突然アカウント削除されただけです。
ここは通常、
バグが発覚した時点でまず告知。
こういうバグがあるのでその行為は行わないように、と告知した上で速やかに修正。
その間得をした人には「ご迷惑をおかけしました」と差分を引くなどの対応をする、というのが当然のはず。
強制アカウント削除した事を正義の鉄槌を下したかのように語る。
ベータテストに、つまりはデバッグに無料で参加してくださっている一般の方ですよ。
唖然、とするしかないくらいなのですが。
そこでそれを当人達に伝えた事で事態がより悪い方向へ進む事はあってもよくなる事は想像しにくい。
ヘルプで派遣に行っているだけの立場なので、ヘタをすると妙な因縁をつけたみたいな事になって派遣元に迷惑がかかるかもしれない。
常識が通用しなさそうな世界で、当然の事をしても揉めた上で「こんな頭のおかしい奴がいた」と語り草になるケースもあるくらいです。
実際、会社の女子達が「性格の悪い人がいる」と話していて、「いったいどんな人なの?」とよくよく聞いてみると、
要するに「仕事をしていないと注意してくる」「遅刻を注意されて聞かなかったら説教してきた」とかそういうものでした。
まあいろいろな現場を見ているので極端な例ばかりですけどね。
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