頭のおかしい人 1
社員で、会社からよく給料を前借り、つまり借金している人がいました。
その人は借りたお金はキッチリ返していました。まあ当たり前なんですが。
しかし中には借りたまま会社を辞めてそのまま踏み倒す者もいたのですね。
「あいつだけやしっかり返しにくんのんは」
という話になった時に、僕に向かって、
「見習いな」
と言った人がいました。
僕はそもそも借金などをした事がないので、何をどう見習えばいいのか分からない。
踏み倒している人間は会社を辞めているのだからここにはいない。
まあこの話だけなら別に仕事の事ではない、で済むのですが、
上記の事を言った人間もその後人や仕事を評価する立場になっていたわけで。
その間に人間的に成長して、当時の発言を反省して改善しているとはとても思えない。
実際評価を見る限りではあまり変わっていないようでした。
つまり問題を事前に解決し、仕事をスムーズにこなす人間と、
問題を起こしてそれを解決するのに騒いでいる人間では、
後者の方が問題解決能力があるように映るのですね。
そもそも問題を起こさない者は彼らの目には留まらない。
それでも何だかんだで部署を回しているとも言えますが、それは尻を拭う人間がいるからです。
僕が手を貸さなくなってから業績は下降し、億単位の負債を作ったまま部署が解散しているのも紛れもない事実。
正当な評価がされないのだから、人がどんどん辞めていった。
しかしその間、持ち込まれる企画やなんやを判断して是非を決めていたのも事実なんですね。
その中には一般の投稿も含まれています。
少なくとも他でも同様のタイプの人間は見かけているので、その人間だけがおかしいわけではない。
そう。どこにでも一人くらいはいる。
「自分の業界にはそんな奴はいない」
はい。彼らも同じ事を言っています。
いない、なんて言う人間は間違いなく怪しい。現場を全く見ていない。
集団になれば必ずサボる人間が現れる、それは自然の摂理。
いない、なんて事はあり得ない。
もっと言ってしまえば普通の人も一生に一度くらいはトチ狂った事をしてしまう。そういう事もあるのです。
僕にも思い当たる節くらいはあります。
だから常に気をつけなくてはならない。
新人賞は正当に評価されている、とか。落ちるのは作品に問題がある、というのはあくまで「普通なら」という前提の下。
普通でないパターンに当たっている可能性も十二分にあるのです。
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