僕のクソゲーラインナップ その2

 正確にはクソゲーではなくクソシナリオです。ゲームは非常に面白いです。


 予め断っておきますが、これは僕の個人的な意見であり、クソシナリオと評していますが、僕はリスペクトしていて同じ題材の話を書いたりもしました。


 ゲームは面白く、非常によくできていて全実績解除しています。フルコンプした後も何度も遊んでいます。


 クソシナリオとしたのはゲームそのものはシナリオとはあまり関係なく、テイスト程度のものなので、ハッキリ言ってどんなシナリオでも別に構わない、ゲームの面白さには全く関係ない要素だからです。


 なのであまり細かい事を考えていないというのが実情でしょうけれど、まあ言ってしまえばゲームがよくできていればそれだけ突っ込んでみたくなるものという事です。



『バイナリードメイン』


 ロボットを銃で撃ちまくるシューティングアドベンチャーです。


 わらわらと襲ってくるロボットを撃ちまくって破壊するのは実に爽快。ストレス解消になります。


 ゲームシステム的にもメイン武器強すぎてサブウェポン全然使えない、とかありますが些細な事です。


 設定は20XX年。ロボット技術が進んだ日本で、ヒトの皮膚を被ったロボットが現れ始めた。


 これだけ聞いてもゲーマーなら例外なく「スナッチャー」かよ、と思う所ですが、別にスナッチャーの延長上にあるゲームでも別に構わないのです。スナッチャーも名作です。


 パクリだなんだというのは竜が如くスタジオとコジマ・プロダクションの間で協議してもらえばいい事で、ユーザーには関係ありません。


 スナッチャーも映画「ブレードランナー」がモチーフですけど。


 ストーリー出だしはどれも同じ。人間に紛れたロボットがいるのでこれを排除。誰が何の為に作ったのか突き止めろ、というわけです。



 主人公達は多国籍軍の傭兵部隊で、主人公の国籍はアメリカ。日本に極秘潜入します。


 この時代では南極の氷が溶け、水位が上がって日本はほぼ沈没しています。日本の周りを囲うように壁を立てて海水の侵入を防ぎ、空中都市を建設し、水没の危険から逃れている。


 主人公達は水没した街を抜け、壁を越えて日本に侵入。



 まず日本を取り囲むように壁を建設できるものなんでしょうか。


 ゲーム中でも出てきますが結構高いです。進撃の巨人並。


 まあ日本全部を囲っているわけではないんですが、首都近辺は残っています。


 それ以外の所に空中都市を建造したとしても、領土の問題ありますから。かなりの広さ壁で囲わないと日本狭くなってしまいます。空中都市は島とは認められないと思うので。


 しかも海面よりも下なら島とは言えないですが、まあ海面上昇は世界規模で起こっているので色々配慮されるでしょう。


 それはそうと本当に南極の氷溶けたら水位上昇するのか? と疑問視する話もあります。まあこの時代でもレトロな設定と言えるのですが、水没した街並を見せたいのならよい設定ではないでしょうか。


 と思ったら水没しているのは初めのシーンのみ。あとは空中都市です。壁の中にも空中都市はあるようです。


 そして蜘蛛型巨大ロボットとの戦闘。


 渋谷の交差点での戦いは圧巻です。東京ゲームショーでも公開され、そこでテストプレイして買う事を決めました。


 ・・・渋谷!?


 渋谷がまるまる残っている。


 渋谷は谷という字が入っている通り盆地。雨が降ったら冠水するので、そのための貯水槽が地下にある。


 そういえば雨降ったらこの日本どうなるんだろう。


 日本が壁で囲われた今、日本全土が盆地。貯水槽は役に立たない。海まで排水しなくてはならないが、その設備だけでどけだけかかるか分からない。どうでもいいがきっと鮭は絶滅している。


 やはり土地がなくては領土として認められないから、何としても土を残さなくてはならなかったのか。やはり日本はかなり狭くなっていると思われます。領海がどうなってしまっているのか? 日本経済は?


 空中都市なんぞに使う資材があるなら領土広く維持したほうがいいのではないか?


 ていうか土を盛り上げる方法はなかったのか?


 日本は島ではなく海を抉った土地になっているようです。はたしてそれは土地なのか?


 とまあ想像力は掻き立てるのですが、結局設定がよく分からない。


 渋谷を残したいのなら別に水没させる必要ないし、空中都市のような別世界を描きたいなら未来なんだから風景変わってます、でいいわけです。


 水位上昇している事や壁で囲われている事は物語に何も絡んでないんですね。


 要は水没させたいのか街を残したいのかどっちなんだ?


 ハッキリ言ってしまえば「未来なんだから水没していなくてはならない」という前提の下に作られた設定という気がしないでもない。


 まあオープニングで語られるだけで、道中全く関係ないんでプレイしている人は全く意識しない。多分途中で忘れています。こんな考えながらプレイしたのは僕くらいでしょう。



 そしてゲームは進み。多国籍軍とはいえ、皆同じ目的で命を懸ける仲間の絆が芽生える。


 パーティを分けて別行動、そのうち仲間の一人、女性と逸れる。


 パーティと合流し、逸れた奴を助けに行かなければ、と言うが別行動を取っていた仲間からは驚愕の言葉。


「あいつの事は忘れろ。あいつはロボットだったんだ」


 敵施設のデータから分かった事。


 ロボットは人間とロボットの間に子供を設ける技術を開発した。あいつはその実験で産まれたうちの一人。


 いや、敵のデータだろ。そんな荒唐無稽な敵の情報に踊らされて生死を共にした仲間を見捨てるのか? 持ち帰ってその後に真偽を確かめろよ。


「人間とロボットの混血はどんな検査をしても分からない」


 それは人間だからでしょ。完全に人間だよね、それ。バイオテクノロジーで作った卵子に人工子宮で育てただけの人間だよね。


「人間よりも身体能力が高いから危険だ」


 それは優れた遺伝子の下に生まれたからでしょ。今まで一緒に行動してロボット並って事はなかったよ。


 頭おかしいのかこいつらは、と話に全くついていけない。


 主人公だけが仲間を信じるのですが、それはただの助べえだから。


 まあなんだかんだで仲間割れするものの一応元の鞘に納まる。


 しかし、ロボットの親玉がそんな混血を作ったのが、ロボットの人間の垣根を無くす為だと言う。


 実際産まれてくる子は人間と何も変わらないんでね。それをロボットだと定義づけるものは何もないんですよ。


 そういう子供が生まれて何が解決するのだろうか?


 ロボットから産まれた人間が気持ち悪いからと、差別される事で人間社会に亀裂を入れたいのなら分かるのだが。


 まあ所詮AIの考える事だと言ってしまえばそれまでだが。


 とまあこんな感じでツッコミながらプレイしているわけです。


 もちろんそのツッコミが正しいとも限らないのですけどね。

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