僕のクソゲーラインナップ その1

 類稀なるクソゲーと評している物を紹介します。


 予め断っておきますが、これは僕の個人的な意見であり、僕はこのゲームを全実績解除、つまりフルコンプリートしています。


 ほぼ完全に遊びつくし、飲み会の席では非常に楽しく語りつくします。ここでも同様の語りをやってみようと思います。興味を持ってもらえれば幸いです。



『ゾイド オルタナティブ』


 XBOX360。戦略シュミレーション。


 ゾイドのシュミレーションゲームは過去多数あり、そのどれも買って遊んでいます。元々シミュレーションゲームが好きなのでこのシリーズは必ず買っているものです。


 まずゾイドとは?


 地球とほぼ同じ生態系の進化を遂げた惑星。しかしその進化の素となる元素は、有機物ではなく金属イオン。

 動物や恐竜、ほぼ地球の生物と同じ姿をした獣が横行する世界だが、それは地球人から見ればロボットそのもの。

 地球人がロボット技術でその生物を改造し、鞍と手綱をつけるようにコクピットを付けた。それはゾイドと呼ばれるメカ生体兵器となる。


 タカラトミーから発売されているオモチャですね。一応上記のようなストーリー設定があるのでジオラマ化されたりしていたものです。

 漫画も連載され、アニメにもなりました。

 国が二つあり、それぞれが各々ゾイドを所有して戦争をやっています。

 たまに野生の野良ゾイドがいたりします。



 このシリーズのゲームは数十種類あるゾイドをマップに布陣して、「移動」「攻撃」「特殊兵装」とコマンド方式で駒を進めて相手国を全滅させるというものです。


 『ゾイド オルタナティブ』も類に漏れずシュミレーションとパッケージに書いてありました。


 他のシリーズがゾイドにオモチャチックなカラーリングがしてあるのに対し、このオルタナティブはネイキッドボディのような鋼鉄のテクスチャ。これが砂塵舞う舞台の上で布陣を組んでいる画面写真が裏表紙に貼ってあります。


 表と言えば、ゾイドが一体、真っ暗な倉庫の中にででんと構え、


 その前にズラーッと武器弾薬が並べられています。


 裸のゾイドにこれらの兵器をカスタマイズし、何発の弾丸を積み込むのか思索して戦場に送り出す。


 重すぎれば機動力が低下し、軽ければ火力に乏しくなりそうです。


 戦うための兵器に飾りなどいらないと言わんばかりのデザインコンセプトに、本格的な戦略シミュレーションの色を見ます。


 これは買わなくては、と迷わず購入。



 そして遊んでみる。


 まずスタートしてデモが長い。そして素材が少ない。ムービーじゃないし。


 ゲームの世界観を知るためには重要なんですが、ほんの数枚の絵を使いまわして、延々と一人の声優さんが喋る。


 僕も経験はありますが、少ない枚数の絵で場面を繋がなくてはならない時なんか、一つの絵をうまく加工して流れを工夫し、退屈しないように見せるものなんですね。


 それは実にうまくやっています。演出の腕に間違いはない。


 それを遥かに上回る尺の長さ。これは僕でもこうなる。


 しかもポーズ利かない。始めたら終わるまでトイレにも立てない。今まで買った製品、初見でデモをスキップした事なんかなかったが、この時は何度スキップしようと思った事か。


 しかも聞いていて特に情報として身にならない。


 そしてゲームがスタート。


 選択できるゾイドが3種類。


 敵側にもう2種類。総出演ゾイド5種類。


 マジか!?


 ポケモンで登場ポケモン5体とかあり得るのか?


 操作できるゾイド3種ってアンタ。


 しかもゾイドに積める武器が一体につき一つ。


 あのパッケージは? なんだったの?


 一応武器やスキルなどのカスタマイズは出来るが、実質戦略として組み込めるバリエーションとしては数種類程度。


 シールドライガーなのにシールドがない。


 爪を持ったゾイドなのにレーザークローがない。


 しかも普通に戦ったのではまず勝てない。


 従来の戦略ゲームとは全く概念の違う『援護』システム。


 つまり布陣を組んで相手を囲うように配置すると攻撃力が上がる。駒の配置の仕方がこのゲームのポイントなのです。


 エイト・クイーンというチェスのパズルに近い。それの逆バージョン。


 ※エイト・クイーン

 チェスの盤上に、8個のクイーンを配置する。このとき、どの駒も他の駒に取られるような位置においてはいけない。


 要は戦略ゲームではなく升目に数字を配置するパズルの攻略に近いものです。


 それを計算し、うまく配置しないとフルボッコです。フルボッコされないように、かつ敵をフルボッコできるように考えて配置する。


 コンピューターは機械のような計算で普通に配置してきます。エイト・クイーン、コンピューターはあっという間に答えだします。


 それを人間の頭で対抗するのです。


 ハッキリ言ってそれは面白い。


 戦略だけでなく、僕は普通にパズルも好きなので。


 多分人の好みは分かれる所。パズルなんだと悟れなかった人は納得いかず脱落するでしょう。


 ゲームシステムそのものはよく洗練されていて、新しい遊び方をするゲームとしてはよくできています。


 ただゾイドでそれをやらないで欲しかった。そうすれば無駄な期待をする事もなかった。でもゾイドでなければ多分見向きもしなかった。


 新しい遊び方のゲームだとは思うが正直しんどいだけなので、それを遊びたいとは思わない。



 そしてステージが進めば敵も強くなる。


 強敵をやっと倒したーと思ったら敵の増援。突然数体の敵が現れ、こちらが操作できるターンになる前に全滅、ゲームオーバー。


 なんじゃそりゃ。


 操作できたとしても、とても連戦できるような状態ではない。


 仕方がないので増援の条件と、登場位置を覚えておき、まず敵に止めを刺さずに増援に対して有利になる位置に布陣してから敵に止め。


 一気に増援を有利な状況で倒す。それでも戦力的には五分です。もう戦略でもなんでもない。パズルですらない。


 なわけで全面クリアにえらく苦労しました。ここまでついてきている人が何人いるんだろうというくらいです。


 あとはメニューを移動する際にフェードが終わった後、数フレームボタンが利かない。これで何度誤操作した事か。これは単純にバグに分類していいと思う。



 こんなようなゲームなのですが、非常に参考になる、という意味では僕にとっては有益で、モトは取っていると言えるかもしれません。

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