口コミで売れるの?
昔、広報の者が上長に「お前達は使えない」と怒られた時、
たまたま話す機会があって、
「面白い物なら口コミで売れると思うんですよ」と漏らしていた。
「その口コミしてくれる人は、この作品がある事をどうやって知ったらいいの?」
と聞いたら沈黙してしまった。
売るもの自体が面白くないなら売りようがない、と言ってしまえばそれまでだが、
それはそれで広報としては良い機会だ。
売りようもない駄作を、面白いかのように喧伝して売る。実際珍しい事でもないし。
そもそも面白い物が何もせず売れてくれるのなら君達は要らない。
むしろ製作が面白いものしか作らないのなら君たちは何も成長できない。
まあ作る物が駄作でもいいというわけではないのですが、
そういう事ではなくて要するに、
『製作は宣伝しなくても売れるくらい面白い物を作れる』
『広報はクソ面白くないものを面白いかのように売れる』
その2つが揃って初めて想定の基準に達すると言っていい。
そのくらい商売をするというのは厳しい事だ。
ただでさえ想定通りに行くという事がまずない。
かならず何か抜け、足りず、届かない。
前段階の想定を2段も3段も上げておかなくては、いざ「完成した」という段階で必要水準に達さないものだ。
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