おまけ

 ある日、我が家に黒猫がやってくる。

 銀の湯の帰り道、目ざといあーちゃんが、かすかな鳴き声を聞き逃さず、電信柱の暗闇に、一層黒い小さな小さな毛玉を見つけるのだ。遠巻きに一時間見守っても母猫は現れず、放っておけないのと欲望の両方に負けた私たちによって、子猫は我が家に連れてこられる。

 ようやく目を開いたばかりの子猫の名前は、レム。

 夢をもたらす眠りの名前。

 人間のいたずらに巻き込まれて、帯締めで繋がれ……。


 目覚めたらしゃべるようになってしまう、いつかのレッサーパンダの姿をしたヤツと同じ口調で。でもそれは、また。別の物語。



おしまい。

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ドリームロックンファイター 麻倉サトシ @a39

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