第21話 対戦の行方

青い光を纏ったセリスが、右手に剣をもって、ゆっくりと降りてきた。


「おい、くそ女ようやく降りてきたな。」


白式白将は、セリスを見た。

この女、さっきと雰囲気が違うぞ。

さっきの光と言い何が起こってるんだ?


「あなたを、本気で止めます。」


「さっきまで、あんなに逃げ回ってたのに、俺を止めるだと?

笑わせるなバカ女。」


「さっきから聞いていれば、バカやらクソやらうるさいですよ。」


セリスは、白式白将の目をまっすぐ見ながら思っていた。

これは挑発ですわ。絶対に乗らないんですからね。

でも、ここからどうやって戦いましょう?


すると剣からまた声が聞こえた。アクアクイーンだ。


「お前は、剣をもってどうなってほしいかだけ考えてくれればいい。

私は、お前の考えてる思考をキャッチして動く。

だから戦いに集中してくれ。」


「はい分かりました。

お願いします。アクアクイーンさん」


セリスがぶつぶつ独り言を言ってることに気づいた白式白将がいきなり攻撃してきた。


「何、一人でぐちぐち言ってんだー

くそ女ー」


「おい来たぞ、セリス。」


「なんで私の名前を?」


「そんなことは今はどうでもいい、戦いに集中しろ。

殺されるぞ。あいつの目は、本気だ。」


「はい。」


一瞬の出来事だった。

白式白将が技を繰り出した。


「白裂傷賞」


セリスの、体が傷だらけになった。


「キャー」


「ザコが。」


けれどセリスは、まだかろうじて意識はある。


「セリス?大丈夫か?」


「あ、はい」


今にもセリスは意識をなくしそうだ。


「でもあの男、剣筋を2メートルぐらいのところで振った瞬間、普通のやつじゃ目で捉えられない、細い針の斬撃を1億本を一気に作り出し飛ばすとは、何者だ?

何とか私が、剣で急所を外してなかったら、セリスは完全に死んでいたぞ。」


まだ意識のあるセリスを見て、白式白将は。


「チ、どうなってんだ?

あれを食らってまだ死んでないのか?

ありえねー、つくづく腹が立つぜー。」


白式白将は、剣を上に上げた。


「もういい、これでとどめだ。

死ねえええええええええええ」


と言いながら、剣を振り下ろすと、斬撃が飛んだ。

その斬撃は、セリスの首を、ピンポイントで、捉えている。

このままいくと、セリスの首が飛ぶ。

そして白式白将が後ろを向いた。


「これで終わりだ。

くそ女」


すると「キーン」と音が鳴り響いた。


白式白将は、その音を聞いた瞬間、セリスの方を見る。


斬撃が、真っ二つにきられていた。

白式白将は、少し動揺したが、すぐに姿勢を、取り直した。

そしてあたりを見渡すが、誰もいない。

セリスは、気を失い地面に額をくっつけていた。


「おい、だれだ?」


白式白将が、声を上げるが、何も気配もしない。

白式白将は、困惑している。


「なぜ俺の斬撃が真っ二つに切られている?

もしかしてあのくそ女が・・・

まさかな、あいつはあそこで倒れている。

じゃあ誰が?」


すると、白式白書の耳元に冷たい、風が吹いた。


「あーん

誰だー」


白式白将は、後ろを振り向くが、誰もいない。


次は、耳元で囁かれた。」


「なんだ?

今の声?

ふふふ」


白式白将は、キョロキョロあたりを見渡すが、やっぱり誰もいない。


「なんだこれ?

気味がわりーぞ」


すると、いきなり膝から倒れ落ちた。

そして、また立ち上がろうとするが、立ち上がれない。


「なんなんだこれは?

やっぱりおかしいぞ。

足の力が抜ける。」


すると白式白将の前に髪、目が青く青い着物を着た、お姉さんが立っていた。


「たてぬだろう?」


白式白将は、顔を上げた。


「わー、いつの間に俺の前に立っていた?」


「そんなことはどうでもいい。

お前の、技を見ていたぞ。」


「お前は、誰だ?」


「名前などどうでもよかろう。

だがそんなに、教えてほしいなら教えてやる」


「じゃあいいや」


「お前が聞いたんだろーが

私は、お前を殺そうと思ったらいつでも殺せるのだぞ。」


白式白将は、女をにらみつけた。


「殺すなら殺せ。

死ぬ覚悟はできてる。」


「まあいい私はそんな話をしようとお前の前に姿を見せたんじゃない。」


「じゃあ、何の話だよ。

えーっと誰だっけ?」


「アクアクイーンだ。」


「そっか、俺は白式白将だ。」


「話は変わるが、お前あの剣の技を、どこで習得した?」


「はぁ?知らねーよ。

俺はいつのまにか生まれてて、技もいつのまにか使っていたんだ。」


「やはりそうであったか。」


白式白将は、、眉間にしわを寄せた。


「やはりってお前、俺のこと知ってるのか?」


「あー、知ってるさ。」


「お前は2次元世界で生まれたキャラクターだ。」


「2次元世界?

なんだそれ」


アクアクイーンは一人で納得していた。

それであんなに強かったのかと。


「まあいいお前、私と手を組み気はないか?」


「おいおい、いきなり何言ってるかわかんなぞ

話がぶっ飛びすぎだ。

仲間になれだと?なんで俺がお前みたいな女と手を組まないといけないんだ。」


アクアクイーンは白式白将の顔を見て真剣に話し始めた。


「今この世界は大変なことが起こっているんだ。

時空のゆがみってわかるか?」


「時空のゆがみ?」


「そうだ、今時空がゆがんでるせいで、違う次元からきてるやつもいる。

このままでは、すべての世界が大変になるんだ。」


「大変なこと?」


「まあ細かい話は、手を組んでくれた時に話す。

どうだ?

私と手を組まないか?」


白式白将に、アクアクイーンは手を差し伸べた


つづく~

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僕とお菓子な謎ばかりの世界 ちべた @tibeta

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