12th 旅路の朝
はい、お久しぶりです。
......いや、ほんとさーせん。
ちょっと色々あったっていうか......ね?
まぁ、具体的にいうとPC環境が皆無の祖父母の家に行くことが急遽決定しまして、しょうがないからとスマホでコツコツ書いてたデータが飛び。
締めて12000文字ほど。
なにせ、不慣れな環境だったもので。
それでモチベーションも飛んじゃって。
いや、PC環境だったらまだ大したことなかったと思うんですけどね......
まぁでも、なんとか持ち直してきたので頑張ります!
そんなわけで、どぞー。
- - - - -
「......うゅ〜、もう、朝か......」
ぼんやりとした意識をゆっくり覚醒させていく。
《おはようございます、マスター》
ぬ、声が......?
あ、シクレか。
『うん、おはよう、シクレ』
いやぁ、大層寝ぼけてたなぁ。
一瞬だったにせよ、シクレの事がわからなくなったなんて。
まぁ、ぼちぼち朝のトレーニングするかな。
って言っても、まずは顔洗ったりとかかな。
「よいしょっと」
ん?
なんか、妙に柔らかくて暖かい何かを踏んだような......
さすがに確認しないわけにもいかないから、ゆっくりと視線を下に。
「はぁ、はぁ......おはようなのじゃ、
「ひっ」
思わず飛び退く。
いや、しょうがないと思う。
なんか背筋にありえないくらいの悪寒が走ったし。
「おぉ〜!主人、その得体の知れないものを見るかのような目は素晴らしいのじゃ!もっとその目でこっちを見るのじゃ!そして罵倒してほしいのじゃ!」
この何か喚いてるゲテモノは先日拾った大悪魔。
正直言って後悔してる。
ちなみに、あれから3日経っている。
「......ごめん、あんま近寄らないでくれると嬉しいんだけど」
真面目にずっと近くにいるとSAN値が削れる。
「のじゃっ!? 罵倒は嬉しいのじゃが、それは無理なのじゃ」
ん?
そんな真面目な顔してどうしたんだ?
もしや、契りのせいで離れることができないとかじゃないよね?
「なんで......かな?」
「うむ。それは、じゃな......離れてしまうと」
何やら深刻そうな。
「離れてしまうと?」
「離れてしまうと......我が殴ったり罵倒されたりできないのじゃ」
は?
「それだけ?なんか、契りの影響とかじゃ?」
「無いのじゃ。っていうかそれだけってひどいのじゃ」
......はぁぁ〜。
無駄に心配したな。
あ、なんか怒りがこみ上げてきた。
「ねぇ、とりあえず一発殴っていい?」
「何?殴ってくれるのじゃ?」
ぐぬ、嬉しそうに。
喜ばすだけか。
「いや、やっぱやめとくわ」
「のじゃあ......」
あ、そうだ。
「その代わりと言ってはあれかもだけど、トレーニング手伝ってくれない?」
「うむ、わかったのじゃ」
「ところで、アスタロトって[分身]とかそういう類のことできる?」
久々にあれをやりたくなったからね〜。
「うむ、できるのじゃ。欠伸しながらでもできちゃうのじゃ」
おぉ、それは頼もしいな。
「それじゃあ、100人お願いできる?」
「了解なのじゃ。にしても、何に使うのじゃ?」
あ、言ってなかったか。
「組手だよ〜。いやぁ、最近ご無沙汰だったからなー、くふ、くふふふ......」
「な、なんか主人の顔が蕩けてるのじゃ.....まぁ、いいのじゃが」
おっと、もう顔が緩んでたか。
いや、これからの組手のことを考えるとさぁ、ついついね。
「よし、[分身]はできたのじゃ。もう始めていいのじゃ?」
っと、もう準備完了か。
周りを見ると、100人のアスタロトに取り囲まれていた。
そうそう、この感じさぁ〜。
この圧倒的な物量と上等な質の両方を兼ね備えた集団に囲まれてる時特有の空気。
はぁ〜、本当に久しぶりだから、制御が効くかどうか......
「ま、どうにかなるよねっ!」
「ん?どうしたのじゃ?」
っと、声に出てたか。
「いや、もう始めよう!」
「わ、わかったのじゃ。分身達、かかるのじゃ!」
あ、忘れてた。
「もちろん、殺す気で......ね?」
「ひっ!? わ、わかったのじゃあ!」
......ついついテンションが上がりすぎて殺気が。
まぁ、この状態でテンション上げるなっていう方が無茶だよねっ!
ってことで。
「っしゃ来いおらーっ!!」
その声をきっかけに殺気で萎縮してた分身達が飛びかかってくる。
と言っても、全員で一気に来るんじゃなく、5人ほど。
賢い選択だ。
全員で来たって詰まるだけだからね〜。
「っと、ほいっ、しょっ!っと、ふっ!」
一波目は円を意識した動きで捌き、投げる。
全部を投げ終えた直後に、二波目が来る。
あ〜、とどめさせなかった......
まぁ、いいか。
いや、むしろとどめを刺さなかったらずっと向かって来るんじゃない?
素晴らしい発見だ!
しばらくはとどめを刺さないでおこう。
んで、今回は攻撃を全部避けつつ一方向に誘導。
「破っ!」
踏み込み、その勢いの全てを余すことなく両手で掌底を打ち込んだ。
一箇所に固まっていたがために、5人全員がもろに食らって体をくの字に折り曲げて飛んで行った。
そしてまたすぐに三波目。
「っておぅわ!?」
......へぇ、魔術。
あぁ〜、面白いなっ!
よしっ気合を入れ直して行くぞっ!
- - - - -
《マスター、マスター!? 正気に戻ってください!》
......はっ!?
しまった、ついつい楽しすぎて無我夢中になってた。
周りを見れば、死屍累々と言わんばかりに50人のアスタロトが散らばっていた。
あれ?
まだ1人だけ残ってるな......
「ままま、待つのじゃ主人よ!我は本物なのじゃ!」
なんだ、本物か。
あれ?
でも......
「痛いの好きなんじゃないの?」
「それはそうなんじゃがの......痛いのは好きなのじゃ。でも、死にそうになるのは嫌じゃ」
お〜、なるほど。
俺が戦うのは好きだけど殺すのは好きじゃないのと同じようなものか。
「あ、クレハちゃんやっと戻って来たの?アス子ちゃんがすっごいかわいそうだったよ〜?」
ありゃ?
ノアがもう起きてる?
ってことは......
『ねぇ、今何時?』
《現在は6:13です》
あー、やっぱりかなり時間経ってる。
にしても、ちょっと勿体無いことしちゃったかな〜。
せっかくの100組手だったのに、ほとんどなんも覚えてないし。
ま、いっか。
でも、そうか......
アスタロトがかわいそうに見えたのか。
う〜ん、一応謝っておこう。
「あー......ごめんね、アスタロト」
「いやいや、何も気にすることは無いのじゃ。むしろこっちがお礼を言いたいくらいじゃからな。なにせ、分身と痛覚を共有してみたらじゃな......あ、思い出すだけで興奮して来るのじゃ!」
やっぱり?
アスタロトならそんな事だろうとは思ってたよ。
「あ、そうだ!ご飯できてるから食べようよ!」
「ノア、作ってくれてたんだ!ありがとね。じゃあ、食べようか」
「こっちだよ!」
ノアの案内に従って行く。
とは言っても、昨日の夜だって同じ場所で食べたんだからわかってはいるんだけどね。
......って、あれ?
「ここは......?」
「えへへ、ここはさっき見つけたんだけどね!あっち見てみてよ!」
戸惑いつつも、ノアの指の先に視線を送る。
アスタロトも同様に。
「......!」
「ほう......」
そして、2人で同時にため息を漏らした。
それほどまでに、眼前のこの光景は素晴らしいものだった。
朝の、まだ低い位置にある太陽の光を背にする世界樹。
その手前に連なる山々、周辺を飛び交う竜たち。
それらの、背にした太陽の光を後光のように纏う姿には、自然と拝みたくなるような風格があった。
......思えば、随分と問い所に来たものだ。
物理的にも、精神的にも。
でもまぁ、今の生活も悪くは無いしね。
っていうかまぁ、適度な刺激を味わえてるし前よりもいいかもしれないんだけど。
さて、あの世界樹の下にたどり着いたら、何をしようか。
後で移動をしながらでも2人と話してみるかな。
とは言え、今はこんなことを考えるよりも。
「さぁ、朝ごはんを食べようか」
- - - - - - - - - -
というわけで、いかがでしたでしょうか!?
改めて、か〜な〜り遅れてしまい、申し訳ありませんでした!
あと遅れた割に薄いし短い内容で申し訳ないです......
正直いって、最後の方とか納得いってないので改稿するかもしれません。
今日は調子が良ければ、もう1話くらい更新したいな〜、と思っております。
いや〜、年末ですね!
みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
僕はアスタロトのセリフを描くたびに某狐娘おじさんのことを連想して苦笑いしてます。
いや、しょうがないじゃ無いですか!
不可抗力なんですよ。
もともと、アスタロトがのじゃっ娘なのは某おじさんの出現以前から決定していたことですし。
ちなみにですけど、アスタロトはけもみみ生えてませんし、ロリでも無いので!
そこんところよろしくお願いします!
次回の更新は今日か明日です。
それでは、またお会いしましょう!
......レビューや感想、あと絵などもお待ちしておりますので。
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気ままなさいかわ幼女は異世界にて覇道を征く! ™️ @tama_1311
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