本編外~通院期間
猫エイズ編
通院期間に改めて解った話
それは退院して、二月目の事
その話を書きます
おこげは、きっと人の家で暮らすのは初めてなんだと思う
病院の人から
暫くは安静にと言われて
ケージの中から、出さないようにと言われた
鳴いても叫んでも 負けないでと言われた
術後の抜糸もまだ抜いてはいなかったし
はしゃぎ回って、怪我を重ねてしまう可能性もあるからだ
家の正式な家族になってからの
一日目だ、暫くは私の部屋にケージを置いて
暮らすことになった
おこげは辺りをキョロキョロと見回している
そのあと直ぐだった。。
先生に言われた通り、出してくれと騒ぎ出した
全身の力を込めて、内側からケージを押している
トイレの箱や、水入れの器も ひっぺり返してしまい
何度も水を取り替えて
トイレのチップも広い直す
しかし、直してから一分後には、グチャグチャにしてしまう
ついにはケージの細い隙間に顔を思いきり押しあて
自分の手を、前に引っ掻くようにして、私に訴えてきた
私は今は心を鬼にして
リビングに向かった
この生活を慣れさせなければ、完全な完治は望めないからだ
部屋に一人にしてから、一時間ずっと鳴き続け
疲れたのか空白の10分は静かになった
その10分後、私は様子を見に行くと
顔を見るなり、また鳴き始める
さらに近くでみると
手の先が血で赤くなっていた
ビックリして、ケージから一旦出して
そして手先をみると
爪が割れたり、折れかかっている
きっと、無茶な動きばかりしたんだと思う。。
見た目では、毛の周りが血だらけであったが
傷は浅く、一応、電話で確認をとった
私はケージに入れていると、危ない動きをしてしまうと話し
手の事を説明すると
もう一度ケージにいれた、おこげの声を電話越しに聞いたのか?
こう言われた(とにかく、一番動き回らない方法を取るのが一番です)
と、どうしようもない事を言われた後
(でも、一回、出してみてください、声が気になるんで)とも言われて
私は言われた通りに出すと、おこげは周りを確認して
ゆっくり出てきた
そしてそのまま、座っている私のお尻の裏の辺りに
スリスリして
(ウキャー)と言って
頭を何度か撫でると、膝の上に乗ってきて
そのまま寝てくれた
驚くほど、ケージの中よりも大人しく
グルグルと喉をならしながら
くつろいでいる
医師にその事を伝えると
(甘えたいだけだったみたいね)と言われて
(もし、出している方が安静にしているようなら そのままにしてあげてください)
と、珍しい事だとも言われた
本来は、体が動ける様になると、治ったと勘違いし動物は 安静にするのを忘れてしまう
だから通院中はケージにいれる方が良い
はずだけど、おこげは、私のそばに行きたくて、出してほしいだけだったみたいだ。。
動物の鳴き方や、鳴き声を理解してる医師には
解ったのかも知れない
その日は結局、ケージに入れなくても
安静にしていてくれた
寝るときも、一緒に布団に入ったり
あらかじめ用意していた、チグラに入ったりして一晩過ごした
次の日も、目が覚めるとチグラの中でグッスリ寝ていて
昼間も大人しくしていた
私の部屋の中で限定なら、歩き回っても、大した運動にもならないし
狭い六畳間の部屋に感謝した
三ヶ月の間は
姉も、母も 交代で寂しくないように、私の部屋で寝食を過ごした
そして、通院二ヶ月目の日
おこげの飲み薬も、必要ない位に安定して、一安心できる程に回復した
これから、年内を、なに事もなく暮らせれば、完治したと言うことになる
そして、医師に検査の過程で
口の中に、気になる事があると言われた
少しだけ、口内炎になりつつある箇所を見つけたらしい
猫エイズの診断をしたいと言われ
迷うことなく、私と姉はお願いした
結果は。。感染していた
私は、結果を聞いても涙は出なかった
少し前の私なら確実に泣いていたけど
退院日に誓ったからだ、何があっても、全力で面倒をみると
手術を決めた時から、途中で投げ出すなら、最初から背負い込まない
そのつもりで引き受けた
それは、拾って、里親を探す人も同じであってほしいと思う
もちろん、悲しくないわけではないし、残念にも思う
でも、亡くなった後に、たまに悲しむ事はあっても
思い出す度に、後悔で泣きつづけなくても済むように
大切に一緒に暮らそうと思った
今回は、自分の中で
ああしてあげれば良かったとか、あの時そうすればとか
そうゆう後悔ばかりの思いもあって
情けない涙も流した、私は動物病院で
色々な思いを見て、聞いた、得るものが多くて
感謝している
だから、世の中の飼い主さんに、健康診断でもいいから
動物と自分の為に、病院に一度は
足を踏み入れてほしい
私は、これからも おこげが少しでも長く
少しでも幸せだと思ってくれるように
生きていこうと考える
ねこンタクト @kakukakusikasikaku
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