第14話 ロリロリのロリ
さて、放課後の体育祭練習のために、普段と同じように着替える女子共を尻目に、俺はそそくさと帰ろうとしていた。俺の好きな歌い手が今日の夕方にネット生放送を行うのだ。今までずっと放課後付き合っていたのだから1日くらいサボったっていいだろう。
「お、大岩くん」
さり気なく出て行こうとしたのだが、気付かれてしまったようだ。しかし、その俺を呼び止める声は俺の想像だにしない人物――宇佐美だった。委員長や三浦に呼び止められるかも、とは思っていたが、まさか消極的な宇佐美が自分から話しかけてくるなんて思っていなかった。
……というかなんで着替え中に、下着姿で話しかけてくるんだ。本当に宇佐美の「恥ずかしい」の基準が知りたい。気になりすぎて、そのまま勢いで直接訊いてしまった。
「なあ、宇佐美ってちょっと恥ずかしがりだろ?着替えを見られるのは恥ずかしくないのか?」
宇佐美は俺の顔を見てきょとんとする。
「恥ずかしくはないです。……だって大岩くん、私の裸なんて興味ない……よね?」
小さい声でそう答えられた。いやいや、それ興味あるって答える方がおかしいだろ。仮に興味あるにしてもないって答えるわ。いや、仮にもない。断じてない。
「そ、そうだよね……。私、なんて、子供っぽいし、胸も大きくないし……」
そう言いながら宇佐美はもじもじと腰を揺らして、白地に水色の水玉柄のキャミソールや同じく水色のフリルのついた白いパンツに自分で触れた。本当にロリ耐性のない俺に対しては少しは自重してほしい。
「と、とにかく!俺は今日用事があるから早く帰るからな!他の奴らにもそう言っといてくれ!」
とだけ声が裏返りながらも告げて、そそくさと逃げるように帰らせて頂きました。天然のロリコン作製機、まじパネェ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます