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2017年11月21日 11:26
訳のわからない理由で世界中から侵攻を受けようという矢先に、こちらから宣戦布告をするというのは痛快でいいですね! 受け身でいるより攻め気になった方が国民の心理的負担も減るでしょうし。 ただ…… 個人的意見ですが、僕には演説シーンが面白く思えませんでした。 内容には共感するのですが、それがここで必要だとは思えなくて。 オーレリア様の話の要点はA=B「国家とは国民、社会構成員を守るためのシステムである」B=C「外敵を排除して安全を図るのもそのシステムの役目」A=C「よって国家ウルスラは全ての敵国を排撃する」 という三段論法だと思いました。 ただ全世界に宣戦布告するだけでは理解も共感も得られないので、なぜそうするかを順序立てて説明して「わからせた」上で、断固たる意志を伝えることが本命だと。 だとすると、前振りが長すぎると感じました。 国家以外のシステムである宗教は直接は関係ないですし、共産主義や社会主義が上手くいかずに民主主義が生き残った歴史も、ウルスラと世界が敵対する現状との関連性が現時点では見えません。 「A=B」の比重が重すぎ、全体として社会科の講義が本題のような印象を受けてしまいました。 そこは例を挙げるにしても「共産主義・社会主義・民主主義、どれも人がよりよりシステムを追求する中で生み出したもので、我が国の王制もその例に漏れません」くらいさっと言えばよかったと思います。 特に。 オーレリア様の民主主義への敵対姿勢が唐突に感じられました。 敵国が民主主義であることに言及する意図が掴めないからです。 敵がみな(少なくとも建前上は)民主主義国家であった。それはたまたまではないのか。この戦争に関係あることなのか。 各国がウルスラへの侵略を決めたのは、民主主義であれば否応なくそうせざるを得ない必然だったから~というのならわかるのですが、これまでそうした話はなかったと思います。 「王政vs民主政」という対立の図式が急に出てきて、これまでの話の流れが切れてしまったような戸惑いと寂しさを感じています。 こういう話だったっけ――と。 今回のお話は、ツイッターなどでの普段のお言葉からうかがえるながやんさんの政治に対する考え方が直接的に反映されていると感じました。 物語を通して作者の主張を伝える、そのことはもちろん否定しません。創作とはそういうものだと思いますし、何より僕自身この作品の政治的な面を楽しんできました。 ただ今回は、それが物語に落とし込まれていないように思うのです。 物語の流れに沿っているとは思えず、「これは登場人物ではなく作者の言葉だ」と意識してしまって、物語への没入感が覚めてしまいました。 政体の話が本義でないなら、それを除いてすっきりさせる。 政体の話がここで必須なら、事前に伏線を張って準備する。 といった手直しが欲しいなと思いました。 以上です。長々と生意気を言って、申し訳ありません。 僕は作品に対して頼まれてもいない内から忌憚のない意見を述べることは普段しないのですが、ながやんさんはそうした意見を受け止めておられると常々仰られていますし。 王立海軍は僕にとってとても思い入れのある作品で、意見するのも今回が初めてではない――ということで、思い切って考えを述べさせていただきました。 あくまで一読者の感想として、ながやんさんの創作の糧になれましたら幸いです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!いえいえ、とんでもないです…貴重な意見です!ちょっと、自分の中の思想や主義と、物語のキャラクター達の世界観や価値観というのが、変に混ざってしまったかもしれないですね。ちょっと「国家や主義主張、政治体系は全て、国土や民を守るシステム、ツールでしかない」「民主主義であれ帝政や王政であれ、国土と民を守る義務を果たしていれば優劣はない(適切か否かしかない)」というのが…上手く消化できてなかったように思えます。ちょっと、読み直してみると確かに…って。あとで時間がある時にでも、直してみようと思います!結構ね、他の作品でも手直し案件がそろそろ溜まってきましたね(笑)こういう意見は貴重なんです、仲良くさせていただいてるからこそ、そこからくる厳しいお言葉がとてもありがたいですね。
訳のわからない理由で世界中から侵攻を受けようという矢先に、こちらから宣戦布告をするというのは痛快でいいですね! 受け身でいるより攻め気になった方が国民の心理的負担も減るでしょうし。
ただ……
個人的意見ですが、僕には演説シーンが面白く思えませんでした。
内容には共感するのですが、それがここで必要だとは思えなくて。
オーレリア様の話の要点は
A=B「国家とは国民、社会構成員を守るためのシステムである」
B=C「外敵を排除して安全を図るのもそのシステムの役目」
A=C「よって国家ウルスラは全ての敵国を排撃する」
という三段論法だと思いました。
ただ全世界に宣戦布告するだけでは理解も共感も得られないので、なぜそうするかを順序立てて説明して「わからせた」上で、断固たる意志を伝えることが本命だと。
だとすると、前振りが長すぎると感じました。
国家以外のシステムである宗教は直接は関係ないですし、共産主義や社会主義が上手くいかずに民主主義が生き残った歴史も、ウルスラと世界が敵対する現状との関連性が現時点では見えません。
「A=B」の比重が重すぎ、全体として社会科の講義が本題のような印象を受けてしまいました。
そこは例を挙げるにしても「共産主義・社会主義・民主主義、どれも人がよりよりシステムを追求する中で生み出したもので、我が国の王制もその例に漏れません」くらいさっと言えばよかったと思います。
特に。
オーレリア様の民主主義への敵対姿勢が唐突に感じられました。
敵国が民主主義であることに言及する意図が掴めないからです。
敵がみな(少なくとも建前上は)民主主義国家であった。それはたまたまではないのか。この戦争に関係あることなのか。
各国がウルスラへの侵略を決めたのは、民主主義であれば否応なくそうせざるを得ない必然だったから~というのならわかるのですが、これまでそうした話はなかったと思います。
「王政vs民主政」という対立の図式が急に出てきて、これまでの話の流れが切れてしまったような戸惑いと寂しさを感じています。
こういう話だったっけ――と。
今回のお話は、ツイッターなどでの普段のお言葉からうかがえるながやんさんの政治に対する考え方が直接的に反映されていると感じました。
物語を通して作者の主張を伝える、そのことはもちろん否定しません。創作とはそういうものだと思いますし、何より僕自身この作品の政治的な面を楽しんできました。
ただ今回は、それが物語に落とし込まれていないように思うのです。
物語の流れに沿っているとは思えず、「これは登場人物ではなく作者の言葉だ」と意識してしまって、物語への没入感が覚めてしまいました。
政体の話が本義でないなら、それを除いてすっきりさせる。
政体の話がここで必須なら、事前に伏線を張って準備する。
といった手直しが欲しいなと思いました。
以上です。長々と生意気を言って、申し訳ありません。
僕は作品に対して頼まれてもいない内から忌憚のない意見を述べることは普段しないのですが、ながやんさんはそうした意見を受け止めておられると常々仰られていますし。
王立海軍は僕にとってとても思い入れのある作品で、意見するのも今回が初めてではない――ということで、思い切って考えを述べさせていただきました。
あくまで一読者の感想として、ながやんさんの創作の糧になれましたら幸いです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!いえいえ、とんでもないです…貴重な意見です!ちょっと、自分の中の思想や主義と、物語のキャラクター達の世界観や価値観というのが、変に混ざってしまったかもしれないですね。ちょっと「国家や主義主張、政治体系は全て、国土や民を守るシステム、ツールでしかない」「民主主義であれ帝政や王政であれ、国土と民を守る義務を果たしていれば優劣はない(適切か否かしかない)」というのが…上手く消化できてなかったように思えます。ちょっと、読み直してみると確かに…って。あとで時間がある時にでも、直してみようと思います!結構ね、他の作品でも手直し案件がそろそろ溜まってきましたね(笑)こういう意見は貴重なんです、仲良くさせていただいてるからこそ、そこからくる厳しいお言葉がとてもありがたいですね。