石けり

ナナヨウコココ

石けり


小石をけりながら帰るのが好きだった


なるべく道の真ん中に石が行くように

けりながら歩く


ちょっと走ることもある


調子に乗って来ると

足さばきにムラが出て


あらぬ方向に

石が飛んで行ってしまう時がある


しまった!


石はドブのコンクリートのふたにある

小さな穴に吸い込まれ


私は思いがけず

なんとも悲しい気分になる


あの石は

もう二度と太陽の光がをあびることは

ないのではないか?


と瞬時に思い当たる


自力では出て来れないのだから

いつまでもあの中に?


どうしたらいいんだろう

ごめんなさい


果てしなく絶望感が襲う




なのに


また数日後には

石けりをしながら帰っている





今でも石たちは暗やみの中かな?



もしかして

そのほうが楽な石たちは

いたり

する?





今は

わかるの


幸せの

ものさしは

それぞれ





あぁ

ただ

わかるだけ



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

石けり ナナヨウコココ @nako168

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ