第41話 ゼロセンチから十五センチの距離……(13)

 何故かその時の僕は、『愛している!』の言葉を相田に返してやる事が出来ない……。


 それどころか?


 今でも僕が最大に悔やんで後悔をしている。


「……わしは、よぅ、解らん……」


 こんな言葉を返してしまった。


 何故だか解らないけれど?


 と、いうか?


 今になって思えば、あの時の僕は、相田彼女に対して恥ずかしくて仕方がなかったのだと思う?


 だからちゃんと力強い言葉で『いいや! 愛しているよ!』と、告げる事が出来なかったのだと思うよ?


 だって僕は、自分の相田の見ている前で、に無抵抗のまま暴行を受け、に遭っていた訳だから。恥ずかしいし、惨めで仕方がなかったのだと思う?


 せめて相田も、もう少し時間が経って僕の気が落ち着いた所をみはからってから声を掛け訊ねてくれれば。又違う台詞を僕は述べていたかも知れないが?


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