第39話養殖野郎がふぁっきん

本日の一品:ニジマスのホイル焼き


ニジマスは鰓腸を取り除き塩コショウ、酒を振りかける。

バタを塗ったアルミホイルにニジマスをのせて包む。その時に好みで玉ねぎモヤシキノコなどを入れても美味。

封をしてフライパンなどで蒸し焼きにする。野外であればたき火の中に放り込むのも野趣があって宜しい。


火が通ったら、手早く食するべし。メガネ野郎や湯気でメガネメガネとするのを忘れずに。


ウィスキーが良い。熱く脂のある食物を強い酒で洗い流すのは良い。腹の中から火が付くのは悪くない話である。




本文


 パワーレベリングしている輩を見ているとついつい妬ましくなるのは機会を持てないボッチ野郎のひがみなのでございましょう。今宵はそっちの養殖ではなくて魚の養殖物について騙ろう。


 養殖の歴史は古く古代の遺跡からは潮溜まりなどに巻貝を備蓄していたのが始まりとも、美食を求める古代人が常に手に入れる術を求めたのが始まりか・・・・・・・・・・

 中世欧羅巴にはコイの養殖を行っているのは文献にも残されているし、錦鯉も元々は山村の蛋白源としてのコイ養殖が重要な起点となっている。近代日本においては鮭の幼魚の放流など行っていることから魚介の養殖(一部蓄養も含む)が意外と古くからおこなわれていたのは調べてみて驚きである。

 でも、よくよく考えてみるならば家畜がいて、それを魚類であっただけと思えば不思議ではないのでしょう。


 さて、養殖魚と天然魚どちらが上かなどと言う論争が良く巻き起こるのですが、これに関してはその魚を見て言えと言いたくもなります。例えばタイなどを挙げれば宜しいでしょうか、天然物と養殖物どちらが良いの?と質問を受けること多々。天然の方が美味だろうという意見があるのですが、取れてからの処置が悪かったり餌の不足などで身が痩せていたり、腹が腐っていたり・・・・・・・

 そう考えると養殖物は安定して利用できるからうれしいのである。天然物が必要とされるとするならば神事や祝い事に利用する場合、鯛の場合は天然物の方がひれがきれいなので見栄えがするのである。

 ブリなども天然物を刺身用とする場合に寄生虫が多くて使い物にならなかったり色々あるのである。おかげで天然の方が安い等と言う逆転現象が現に起こっているのである。不思議な事である。

 逆に天然の方が高いのはフグ(トラフグ)とうなぎ、もっとも天然フグとか鰻とか見たことはあっても食したことはないのだが。寧ろ天然物を見たことがない。

 マグロ類に関していえばミナミマグロは完全に天然物は見ない。クロマグロは脂ばかりの養殖物に当たり外れの大きい天然物。そりゃ天然は一匹一匹育った環境とか状況が違うから仕方ないのであろう。だから値段も幅が大きすぎる。そう考えれば養殖物の安定性は販売者としては便利なのでしょう。と他人事のように言ってみる。


 まぁ、天然と養殖を一緒くたに同じ食材として扱うのはいい加減が過ぎるのであろう。身の締まった天然鯛に脂ののった養殖鯛、これを二色盛りにして食べ比べてみると・・・・・・・・・・・

 それぞれにどっちが旨いなどと言いあう声がちらほら。何も知らない状態で食べ比べさせてみると養殖の方が脂がのっていて旨いとか、これはブリやらマグロでも・・・・・・・・・・お前等脂っこいのが好きならばバターでもなめていろとか・・・・・・・・

 後は、天然は野〆が多いせいか色合いが宜しくないと・・・・・・・・・・・特にマグロにブリ。これは良く判ります人は見た目が八割等と言いますが刺身も見た目が大事ですから。切り身もまた然り。血合いが黒ずんでいたら誰も買いませんしね。



 ほんの笑い話、最近の若い社員はそれぞれの会社に養殖されているようなものである。座学と研修だけで出荷されて一人前面しているものだから、ついつい弄り倒したりするのであるが

「ばろさん(仮名)の技量はマニアックだよ。」

 ルナティックでないだけましだと言いたい。この画一養殖野郎がと言うと私の腹を見て

「蓄養?」

 等とのたまう。失礼な!私はれっきとした流しの職人さんで居付いて肥えているわけではなくその土地土地の美味な店を・・・・・・・・・・・


「今度教えてください!」

 良いだろう、取り敢えず何を食らうか?わんこ鍋?いい店があるよ。




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