第34話いがいやいがい

本日の一品:ムール貝の酒蒸し


ムール貝一キロを洗って鍋に入れておく。白ワイン二カップを注いで蓋をして火にかける。

あらかた蓋が空いたら小葱の微塵を散らして召し上がれ。


これには白ワインの冷やしたもの、麦酒(白ビール)がお勧めである。

これだけでリットルは空けられる。



本文


 ムール貝は貽貝であって遺骸ではありませぬ。タイトルは洒落でつけられているのであまり気にせぬように。


 今日はムール貝について騙る。ムール貝は特定外来生物に指定されている物なので沢山食べて駆除するのは正しき一般市民の務めであるというけど貝毒もあるので気を付けましょう。

 ムール貝の和名だとムラサキイガイ。別種のヨーロッパイガイも入るのだが別に気にしない。むの頭文字のある題材を選んだだけだし・・・・・・・とぶっちゃけるのは置いといて、酒蒸しで美味しいよね。本当に美味しいよね。あれ一キロあればワイン一瓶軽い軽い、無理だと言われる御仁はただの下戸か胃弱なのだろう。哀れすぎて涙を誘う。


 ムール貝についての正確な分類と言えばイガイ属の物を指すというのもあればイガイ科の貝類を指すという説もありなかなか面倒である。ニュージーランド産のパーナ貝もムール貝として食卓に並んでいたりもするのだから面倒くさい物である。だから居酒屋等でイガイ類を見てムールなのと言う質問はやめてあげよう。店員さんが泣きますから。


 さて、ムール貝の食べ方と言えば酒蒸しだのバタ蒸しだのあさりと変わらないと考えれば宜しいでしょう。瀬戸内海地域では炊き込みご飯にしたりトルコでは貝殻に貝の身と一緒に米粒を加えてゆで上げる料理もある。どちらも縁あって食べる事が出来ましたけどおいしいですねぇ・・・・・酒と一緒に欲しくなります。縁があればバーベキューなどで焼いて食べるのも悪くありませんしむき身にした貝を寿司ネタにするなんて言うのも・・・・・・・・・

 でも一番は酒蒸しでありましょう。使う酒が白ワインだの日本酒だの麦酒だのと言って論争が起こりそうですがそこまでは責任持てません。勝手に行ってくださいという部分である。その喧嘩に巻き込まれても魚屋の私としても面倒見きれないのである。本当勘弁してください。個人的には日本酒・・・・詰めていけば米焼酎などで蒸すのが好きなのであるが強いこだわりがないのである。


 実際の販売を考えてみると・・・・・・・・・・・売れないね。オサレナ食材と思われているのだろうか?

 どう見ても地元原住民の貴重なタンパク源だと思うのですが、その辺の認識の差と言う物は面白くもあり面倒くさい物である。とりあえず初見の客には酒蒸しにしてみなと言ってみる。



 それでも売れないねぇ・・・・・・・・

 めんどくさいからパエリアセットとして混ぜても売れない。これは購買年齢層の判断ミスか?


 ちくせう

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