第25話闇ちくわ天のゲーム

本日の一品:闇ちくわ天


ちくわの穴の中に適当な食物を詰め込んでから衣をつけて揚げる。

衣は卵を使って強度を増した方が破れなくてよい。


予め衣の中で泳がしておいたちくわをくしで刺したものを各自責任を持って揚げて食べるなんて言うのもスリルがあって面白い。


以下、私の個人的感想。


・からし、わさび:揚げすぎのせいか揮発性の辛み成分が抜けてしまったからか程好い辛みと粉っぽさが、他の具材と合わせてみてもいいかも。

・練り梅:梅の酸味がちくわと合って美味。これを縁あって手に入れた自家製のしょっぱい梅干しで作ったたたき梅と梅酢生姜とだと少々味が強すぎた。

・ひき肉(肉団子のタネ):肉自体の風味もさることながら玉ねぎや蓮根等の野菜の歯ごたえも良いアクセントとなっている。ただ、肉に焦げ目がないからか少々ふにゃけた食感となっていた。

・アイスクリーム(バニラ味):意表を突かれた一品。甘じょっぱくて食えなくはないのだが・・・・・・違和感が。

・胡瓜:ちくわに入れる物の定番。加熱した胡瓜と言うものも美味しいしちくわの味を浸み込んで面白い。ただし、加熱した胡瓜の芯のやわらかい部分はとても危険である。齧り付いた途端に吹き出す熱い汁、小籠包を思い出してもらえば良く判る。後、胡瓜と合わせてねり梅等を入れてもいいかも。

・チーズ:これは普通にうまい。とけて熱いから注意しないとまずいんだが。だけどこの時は色々なチーズを使ってチーズ当てになるなんて・・・・・・

・チョコレート:不味くはない。寧ろ旨いのだろうが違和感が・・・・・

・天ぷらの衣:外はカリッと中はトロット・・・・・・中はいただけませんでした。誰だ作りやがった奴は!

・干瓢(市販の味付け品):これは美味。某調味料メーカーのちらしずしの素なんか加えても面白いかも。

・豆腐:不味くはない。味もちくわの味しかしない。因幡名物豆腐ちくわだという馬鹿がいたがそれとは別物である。ふざけていると池田松平の殿様に誅されるぞ!

・魚のすり身:これは個人的にヒット。ちくわの中にまた別の魚がと言うのは面白い。

・納豆:誰だ作った奴は!怒らないから出てきてご覧(包丁片手に笑み)



注)作者は納豆が嫌いです。




本文


 前書きのはほんの洒落です。互いに向き合って「闇ちくわ天のゲームを始めよう。」等と馬鹿な事は致しません。本当です、信じられない方は名乗りあげてください。共に闇ちくわ天のゲームでも致しましょう。ただし納豆は抜きで。


 失礼いたしました。今回は練り物について騙ると致しましょう。練り物は和日配ではないかとかスーパー関係者からの突込みが入りそうなのでありますが、元々は鮮魚の担当だったんです。それなのにそれなのに・・・・・「君達は魚を切るのに大変だから練り物を並べるのは我等に任せてくれたまえ。(意訳)」で練り物を自分の担当に組み込みやがった日配(店によってはデイリーとも称する)め!練り物は場所をふさぐのに便利だったり年末や寒い時期の主力商品だったのに!

 と言っても、私の勤め始めた頃には練り物は普通に日配の担当になっていたのですが・・・・


 練り物を作るとなればさほど難しい事はなく、鰯のつみれなどを例に挙げて言えば叩いてつなぎを入れて茹でる。雑魚天や薩摩揚なんかも叩いてつなぎを入れて揚げるだけですし、板かまぼこや細工蒲鉾なんかはさすがに難しいでしょうが、素人料理としてもちょっと遊んでみるのも楽しい物であります。

 魚の下処理(三枚おろし)位までお願いしてから家に戻ってから叩いてすり鉢ですりつぶして片栗粉やツクネイモなんかをつなぎにして塩入れて粘りだしたり、牛蒡や蓮根人参などを加えても面白いでしょう。後は油を熱してあげておけば・・・・・・・揚げ立ては美味しいですよ。生姜醤油なんかが最高ですし、冷めてからでも炙って食べたり大根なんかと煮ても滋味滋味。揚げ立てを狙う泥棒猫と言うか頭の黒いネズミには気を付けないといけないのはよくある話でありますが、私もつまめば問題なし・・・・・・

 つまんでいる間に皿に乗せる分がないのはどうしてだろう?

 伊達巻等も意外と自作できるので調べて作ってみると面白いでしょう。ただ、意外と材料費がかかるのでいかに蒲鉾メーカーがすごいかと言うのが判る結果ともなりますが。回し者じゃないですよ、自作だとこだわりとかも入れられるのでメーカー品とは違う旨さが出るので大好きなのですが。個人的には小さなメーカーとか店舗で作られている伊達巻、あれを食べ歩くのが好きですね。築地でも複数の卵焼き店があるので店ごとに伊達巻を買って食べ比べてみたり、調子のすし屋で出された伊達巻の寿司あれも美味しかった。個人店系のすし屋で自作の伊達巻の巻いてないのを【かしてら】等と称して出されたのも酒のつまみになって美味美味。


 おっと、今年の正月は伊達巻を食べる暇がかなったから騙ってしまった。練り物の話に戻すとお客さんの中にもつみれを作るからと鰯をおろしてくれと言ってくるのがおりますし、イシモチやタイ等をしんじょうにすると買われるお客様も。面白い物で一人がそうやって作るというと私も私もと釣られて挑戦するお客様が出てくるのであります。鰯なんかはおろすのが面倒なのであらかじめ用意している開いたのを買っていけばよいと(一箱分瞬殺されました。)鯛なんかも刺身用を利用してみたらとか(5キロ消えました)イシモチに関してはちまちまとおろしましたが追いつきません(数日分として用意した30匹が売れました。)、適当に魚ならば何でもできると言ったら「そんなものかね」と言う意見が出る反面「雑魚天じゃない!」「黒はんぺん違う!」「はんぺんじゃない!」と突っ込みをいただくのでした。どの発言がどの地方かは私には見当もつきませんでごめんなさいねと意見を下げるのですが(苦笑)

 少々変わった理由で練り物を作られるお客様おいでになられるようで

「子供の離乳食代わりに魚を使うんだけど骨ごとミキサーにかけちゃえばカルシュームも取れちゃうでしょ、後野菜も入れられるのが嬉しいね。そして旦那の酒のつまみも一緒に、うふっ!」

 等と考えているのか惚気ているのかわからない理由を述べておられる若い母親。同じ理由でお好み焼きを次の日考えていたり・・・・・・

 後日その若い母親さんと話す機会がありまして

「どうもうちの子、細かくしないと食べなくなってしまって・・・・・・・」

 しらんがな。

 仕方がないので、一口サイズに切って大人が食べてみればと言ってみたら。釣られて食べるようで一応解決。旦那の酒のつまみと言うか夕食まで取られたのは笑い話としておきましょう。当方そこまで責任持てません。

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