第22話どんぶりなまこ

本日の一品:ナマコの茶ふり


ナマコははらわたを取り去り腹部の内皮をも取り去る。

適当な大きさに切り分ける。

沸騰した番茶に入れて湯がき冷水にて締める。

柚子、カボスなどの搾り汁と醤油でいただく。面倒ならばポン酢でもよろしかろう。


甘めの純米酒などに合う。吟醸とは少々相性が悪い気がする。




本文

 でかい目玉でありません。


 今回はナマコについて騙ることとする。ナマコの外見はグロテスクで何とも言いようがない形状をしている。触った感触もぐみぐみとしていて気味が悪いと思われる方もあるだろう。最初にこれが食べる事が出来ると思ったものはある意味勇者なのだと思いたい。日本では生食が主なのに対して中国では乾燥品を戻してから煮て食べるのだがこの辺は生食文化が浸透している日本と加熱文化が根強い中国との差があって面白い。もちろん日本でもナマコを煮て食べることがあるが生の物を煮て食べるので中華料理のナマコ料理とはまた別物と思っておいた方が良い。中華料理のナマコも食べたことがあるけどあれはあれでコリコリとした食感を楽しむための物でナマコ自体の味がどうとかと言うのは良く判らなかった。元々が薬食いからきているのだからそういうものなのであろうか?


 冬場にごく少量入荷してくる。切ナマコの状態で製品となってくるのもあるし、丸のままで送られてくることもある。切ナマコの状態だとよくあるカキのパックみたいなもので水を切ってから二杯酢等で調味して酒の当てにする。丸だと自宅で切り分けるなりしてからするのだが、パッキング(パック詰めすること)すると水が出る出る。パックしてから一時もするナマコから出る水で泳いでいるナマコが見られるのである。下手すれば内臓が飛び出してきて、【内臓がないぞう!】なんて状態の哀れな姿で店先に並ぶのである。はい、駄洒落です、石を投げないでください。


 そんなナマコをみてパートのおば様方もこれどうやって下処理するのとか気持ち悪いので触りたくないとか色々避けるのだが仕事するうえで好き嫌いするなと強引に仕事をさせるのだが私は厳しいと思われるのはどうかと思う。あまりうるさいと生コンのおべべ着せて漁礁にするぞ!と言うと素直になってくれる。やはり女性には服を送れば話を聞いてくれるのだろう・・・・・・・・・・

 と言ったら、パワハラで・・・・・・・・・・世の中融通が利かなくなったものだ。



 ナマコの下処理であるが簡単で腹を割いてはらわたを取り内側の膜をむいてから切り分ける。口?尻?は硬いのでそこは外すとよい。ご家庭にある三徳包丁でも十分できるので試してみるのもよろしかろう。後はポン酢でもかければ立派なつまみになるのである。好みでわかめとかキュウリとか・・・・・・・私はわかめとかモズクが良いと思うのだがそれはそれぞれの好みなのであまり問い詰めることはしない。

 煮た物は一度食べたことはあるがナマコの歯触りと独特の風味が面白かったのだが製法を覚えるまで至らなかったのは当時の私の不覚である。あれは旨くて丼一杯食べてしまったのだ。




 さて、海鼠腸で一杯やるとしよう。

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