別れ。そして出会い Ⅱ
ジリリリリ…目覚まし時計が鳴っている
「もうこんな時間か。」
「鈴~朝だぞ~」
鈴からの返事は永遠に帰ってくることはなかったのであった
「え?鈴?鈴?どこだよ、ふざけたことするなよ!」
由季は鈴が死んだ事に対して現実を受け止められず現実逃避していた
「あぁぁ…死んだのか、なんでみんな皆んな居なくなっちゃうんだよ。お前が居たから今まで生きて行けたのに…」
「これからどうすればいいんだよ…」
憎しみ悲しみ辛さを全て支えてくれていた鈴だが死んでしまった今、由季の心は何処か遠い遠い場所に行ってしまった
「鈴…鈴、鈴鈴鈴…うわぁぁぁ!」
ボロボロと大粒の涙がこぼれだした
「死にたい…もう死にたいよ鈴…」
由季の右手にはカッターナイフを強く握っていた
「ニャー」
「なんだお前は…」
窓際に1匹の黒猫が手紙の様な物を咥えてちょこんと座っていた
ガラガラガラ
「俺に…手紙か?、」
「ニャー」
由季は手紙を取り右手に握っていたカッターナイフで封筒を綺麗に開けていった
手紙には一言だけこう書かれていた
「桜泉女子高校にようこそ」と
「ここ、鈴が3年間通うはずだった高校だ。なぜこれが俺に……アッ、」
一ヶ月前ーーーーーー
「お兄ちゃん…」
「おいおい~なんでそんなに真面目そうな顔してるんだよ笑」
何か大切な事を言いたそうな顔をしている
「よく聞いて」
「は、はい!」
「私は何れ居なくなります…その時が来れば私の部屋の押し入れのダンボールを開けて下さい」
この時由季は、ただただふざけているだけと思っていた
「鈴~、中ニ病にでも目覚めたのか~?」
「とにかく必ず覚えておいてくださいね!」
「あぁ笑、覚えておくよ」
「その時が来れば……」
「何か言ったか?」
「何でもないよ///」
鈴は悲しい様な顔をしてニコッっと笑っていた
ーーーーーーーーーーー
由季は急いで鈴の部屋へと駆け込み押し入れをガザガザと物を漁って行く
「あった、これだ」
ガムテープをビリビリと破くと沢山の資料、レポートの様な物がぎっしりと詰まっていた…そして1枚1枚しっかりと目を通して行きある資料で目が止まった
「なんだこれ…」
資料にはこう書かれていた
「遥か彼方、12の神々が争い合い世界の破滅に恐れ入った。そんな中1人の魔導師が現れ、その命の代わりに神々を12の魔導書に封じ込め世界にばらまいた……そして今その12の魔導書がここ、桜泉女子高校に散らばっている…、表では極普通な高校だが裏にしてここは世界でただ無い魔導学園だ」
そして終盤こう書かれていた
「説明不足だかこれを持ち君に私が所有している1冊の魔導書を授ける。君の血筋には封印せし者の才能がある、頼みましたよ。」と…
「一ヶ月前のアレはそういう事か…」
段々と冷静に考えられる様になっていた
そしてもう1枚、鈴からの手紙が入っていた
「お兄ちゃんへ……この手紙を読んでいる頃には私は桜泉女子高校の裏の人間に殺されています、資料はもう読みましたか?私は貴方、お兄ちゃんに全てを託します…。ダンボールの底に12の魔導書の一つ「モーディルの書」が置いてあります。扱い方はモーディルの書に直接聞いてください、タイムリミットに12の魔導書を封印できなければ、世と言う存在が完全に崩壊します。お兄ちゃん、貴方に幸福が訪れますよう私は祈り続けます…」
「鈴の為、世の為に封印しろってか…」
「鈴…君は今そこにいるんだな…」
由季は手紙を握りしめ熱く誓った
「ははは…やってやろうじゃねーか。神がどうだ?魔導書がどうだ?知らねーよ。」
「俺は鈴、お前の為にこのタイムリミットで全ての魔導書をぶち壊してやる」
桜泉女子高校にようこそ!! 俺…男なんですけど 雪の日あおば @YukinohiAoba
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