第40.5話 眩む。
夜というものは、案外早く明けるものらしい。四角が六つに区切られた窓から差し込んだ強烈な光は、夜になれた目を容赦なく刺激してくる。決して眩しくは無いはずのそれに目を細めるのも、煩わしく思うのも、それはこれからがあればこそだろう。
結局一睡もできぬまま過ごした夜に、転生前の人生を入れても始めてだろうか、女二人に挟まれて夜を過ごしたというのは。それが如何わしい意味を持たないというのが、何とも滅びそうな世界らしいと苦笑するしかない。
昔から、使命やら役割には熱中する方だった。
そのためには、どんな手段も講じてきた。
それがどんな結末を産もうとも、それが求められた結果ではないとしても。
それが、求めた者が求めた結果なのだと受け入れられなくても。
それが自分自身のことだったとしても。
やり遂げることを、やめられずにたどり着いてきてしまった。
そして今回も、恐らくそれを繰り返すのだろう。
世界という、前例のない規模ではあるが。
「……………。」
何か言葉にできると思ったがそうはうまくいかなかった。ならばもうそのままでいい。
書き置きを一つ残し、もう一度窓の向こうの朝陽を眺めた。柄でもなく微笑むと、俺は扉の向こうをくぐる。
世界を、救うため。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます