第3話“Ωとαとβと”
「ね、言ってよ緋愁…? 楽になりたくないの?」
「んっ、ん、あっ…や、ァッ……兄う、え…ッ」
「…言わないと辛いままだよ、緋愁? 俺は
「やっ、ぁ…そん、なぁっあ、あっ、ふっぅ……ッ!」
イヤだ、イきたい……ッ!
ガチャ…ッ
扉を開けて誰かが入ってくる。
「……あ、硴」
「…………また無理を強いてるのかい、
「無理は強いてねぇよ、跳ねっ返りには仕置きが必要だろう?」
「だからって壊すのは止めておくれよ、怒られるのは僕だ」
「それは知ってるさ、ンな勿体ねぇ事するかよ」
「それは良かった」
耳のすぐ傍で兄たちの会話が聞こえる。
二人共αだ。…つまり、二人共俺を犯す側。
「んんっ……う、ふぅッ…あ……ッ…」
「…………緋愁、言わなければ那月は出させてくれないよ?」
「そん、なぁッ…」
新たに増えたαの兄にまでそう言われてしまい、涙声で悲痛な声を上げる。
「なァ、早く言えよ……? イきたいだろう?」
「ッ!? ん、ん、アッ……ひゃあッ!」
「………僕も緋愁が屈服するところを見たいなぁ…?」
ツゥ…ッと自身の中心をゆっくり撫であげられ、コリコリと固く立ち上がった胸の蕾を揉まれる。
甘く耳朶を噛まれ、ねちっこく甘ったるい接吻が幾度となく交わされる。
「んんっ! ふ、ぅ…ッ……兄、う…も、イカせ……ッ!」
「……だってよ那月?」
「チッ……壊すワケにもいかねーし、仕方ねぇ。今回はイかせてやるよ……その代わりたっぷり相手してもらうけどな?」
「んっ、あ、あぁあああぁぁぁああぁッ!」
硴と呼ばれていた青年が苦笑して傍らの青年に問う。
那月と呼ばれた青年は少し不満そうにしつつ、緋愁の自身を拘束していた平たい布をシュルッと少しだけ緩める。
「や"っ、あ、あぁッ…あぅぅ……ッ…」
「緋愁お前最近ヌいてなかっただろ、こんなに固くしやがって…」
「那月、無茶言ってやるなよ? トップの成績を維持してるんだから仕方無いんじゃないかな、ほらこの子……Ωだからね?」
「んっふぅっあっ…あ、んっふ、ぅ……ッ…」
「Ωであの成績は凄いんだろうがな……コレだけ固いと射精の威力で壊れかねないからな、緩めるだけにしてやったよ。その分、快楽が続いて、イイだろう?」
「あはは〜……那月はとことんS全開だなぁ…」
那月と硴の声は緋愁には届いていない。緋愁は今、自身を襲う快楽の波に逆らうのに精一杯で、何も考えられない。
「さぁ……たっぷり相手してもらうぜ?」
「簡単に気絶とかしないでおくれよ? 緋愁の可愛い声が聞けなくなるからね」
二人の兄が欲を孕んだ獰猛な目で俺を捉える。
きっと他のΩにもしてきた事が俺の身にも起こるのだろう。
──どうやったって、運命から抗う事は、出来ないのだから。
そうして俺は二人の兄から犯された。
螺旋が描く境界線 幽谷澪埼〔Yukoku Reiki〕 @Kokurei
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