この空、この街、あの戦争

第1話

　2017年5月。

　今年にはいりもうすぐ半年を迎えようとしている。

　今年はアメリカでトランプ大統領が就任したことや、北朝鮮のミサイル実験何度も実施されることなどがあり、お正月早々まず思ったのは、「もしかして今年、戦争が始まるんじゃね？」だった。

　しかしなんとか今年も半年が過ぎようとしている。

　私が今住んでいる東京の品川区は、今から72年前の1945年5月、アメリカ軍による空襲の被害を受けた。

　3月に下町を襲った東京大空襲に比べると知名度はあまりないが、それは山手大空襲と呼ばれ、大田区、品川区、渋谷区、新宿区などが焼野原になったと言われている。

　あの時は戦争中だったが、でも当時の日本人は、本土が戦場になるとは思っていなかった、という話を聞いたことがある。

　戦場はいつも海の向こうだったと。

　もしかすると今の私達も同じなのでほないだろうか。

　戦争など起きるわけがないと信じていていいのだろうか？