作者様の力量が、冷たき戦闘機に魂を宿らせる一作!
復讐心に燃える男の執念、ロマンチシズム溢れる戦闘機。
空戦を描き切らんとするフルスロットルの描写が、世界観とガッチリ噛み合って一つの”空”を作り上げています。
空戦とは元来、冷徹な力学が支配する詰め将棋のようなモノ。
機体特性、武装、空戦理論…… 空を飛ぶ者に要求されるのは、ある種の冷たい方程式と言っても過言では無いのでしょう。
だからこそ、空戦は熱ければ熱いほど美しい。
鉄塊たるマシンに命を宿すのは、ドラマによって形作られる狂おしいほどの想いなのです。
その為の執念や葛藤は、本作においては”復讐”という一つの指向性を以て盛り込まれています。てんこ盛りです、マシマシです。
本作は紛れも無い、大人の為の物語。
娯楽としての空戦を、本気で、フルスロットルで、読者の心に刻み込んでくれる事でしょう。ノベル0コン、お勧めの一作です!
50年間にも及ぶ戦争が終わりを告げ、ようやく平和への兆しを取り戻しつつある世界。しかし、戦時中“吸血騎士”として恐れられた影のエースパイロット「ユアン・マルグス」の闘いはまだ終わってなどいなかった──。
かつて教え子であり恋人だった女性に理由も告げられないまま突如として裏切られ、復讐を誓った彼は、赤く塗り上げられた愛機と共に再び大空を駆ける。
そんな二人の男女が織り成す愛憎劇が、手に汗握るドッグファイトをより情熱的に、そして狂気的に彩ってくれています。
果たして裏切りの真相とは?そして、赤と白の決着の行方とは──?
謎が謎を呼ぶ空戦ドラマ、傑作ですよ……こいつぁ……!