朝ブランコ

町田遊佐

第1話 寝起きのFacebook

寝起きのFacebookは彼の誕生日をお祝いしようと私に告げている。ベッドから勢いよく飛び起きると歯磨きよりも真っ先に真赤なスカートを履いた。意識高い系と言われてる知り合いから朝活なんてワードを最近よく耳にしてするけど私の場合は完全に意識奇妙系だ。


その日わたしの奇妙な朝活は何でも願いを叶えてくれるブランコに乗るためだった。


それはブランコに座り大きく反動をつけ願い事を叫びながらジャンプする。それで何でも願いが叶う。ただし毎回ではない条件がある。4年に1度で季節は初夏、オリンピックイヤーと重なる年だから覚えやすかった。時間は早朝、なぜだか服装はスカートを履かなければ効果ゼロということ


このことは何度も実証実験を行ってきた私だけが知っている条件であるがそれ以外のことはまったく謎である。


そんな条件下にブランコに乗れるドリームイヤーが今年 やってきたのだ。しかし今回の願いは少し複雑でもあった。彼は手のひらの友達そうFacebookの世界だけの友達。しかも私は既婚者である。


彼を奪うために計画をしている。

ブランコから飛び出すタイミングは

彼の誕生日に決めていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

朝ブランコ 町田遊佐 @haul

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る