冬を瓶に籠めて

作者 神楽坂いずみ

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★★★ Excellent!!!

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近くにいる事が当たり前で、気付かなかった家族や友人へのありがたみ。
故郷を離れた時に身に染みる孤独。
ふと心が弱った時に届いた、故郷新潟の冬の便り。

まるで「故郷はいつでもあなたの傍にいますよ」と言っているかのよう。
そのポトフの湯気の向こうに、一瞬新潟の景色が写ったような気がします。

さんがに★で称えました

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★★★ Excellent!!!

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寒さの厳しい雪国新潟出身の「私」が、故郷以外でひとりで迎える初めての冬の、「美味しい話」です。

仕事の締めに忘年会にと、妙に浮わついた年末の繁忙期。ふと時間のできた「私」は、下宿先の部屋で一人、白菜のポトフを作ります。
ぐつぐつという幸せで暖かいはずの音から「私」が感じた感情は、「孤独」。そんな折に届いた冬の贈り物とは。

新雪に残るシュプールのように描かれる、「私」の心の動きのカーブがとても好きです。そしてとっておきの贈り物も。
白菜を美味しくするには、寒いところで育て、寒い景色を見ながら暖かい所で食べるだけではなかったんですね。まさか寒さにそんな効能が。

読んだだけで美味しく、そして、暖かくなるお話を探している方は、是非。

さんがに★で称えました

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★★★ Excellent!!!

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地元新潟を離れ、就職先の福岡で初めて迎える暖かい冬の日。
疲れた胃腸を労るべく、「私」は一人用の鍋にポトフを作る。

一人暮らしの部屋ではどんなふうに音が響くか。
故郷の鋭い寒さと白い悪魔がどれほど懐かしいか。

きっちりと端正な文章が、故郷と母への想いを繊細に描き出す。
隠し味を加えたポトフは、きっと、いつもより優しい味がする。

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