私の人生とは何だったのだろうか? と疑問が湧く。
本作は読みやすく軽快な文体で、正しいラブコメが綴られている。
幼馴染で、家も隣同士。この時点である程度結末は予想できる。
しかし、本作はミステリーではない。その約束された結末へ向かう、過程そのものが最大の魅力なのだ。
普段は頼りないがやる時はやる主人公。
照れ隠しでつい意地悪しちゃうヒロイン。
はっきり言ってかわいい。上手く言えないが、胸に来るものがある。
特に縁日でおなじみのアイテムが小道具として非常に印象深く、効果的に使われている。
……これだ。こういうのが読みたかったのだ。何より一人称の地の文が面白い。
かなり参考になるが、私が真似をするのは難しいだろう。
主役の二人が少しずつ近づいたり、離れたりしながらの日々が面白おかしく綴られるさまは、ミルクチョコレートを砂糖を蜂蜜で煮込んだように甘い! 絶対に甘い!
しょっぱい青春を送った私には少々毒だが、そもそも毒と薬の違いは量だけである。
用法用量を守って正しいラブコメを!
ニヤニヤしながら最新の52話まで読み進む。ぜひとも続きを読みたいものである。