宗也、登場る。


教室に蒼介と那月が来てからしばらくして。


「お、今日もお熱いねぇ、おしどり夫婦さん。」


1人の青年が軽いノリで話しかけてきた。


「なんだ、お前まで同じクラスだったのか。」

「いや、とりあえず夫婦のとこツッコんでくれよ。」

「はいはい、あんたのボケ、もうちょいレパートリー増やしなさいよ。」


笑いながら2人をからかうのは、中学から知り合った遥風宗也だった。

何でも埼玉から引っ越してきたとかで、当初はまさに陰キャラの代名詞のような奴だったのだが、ここまで明るくなったのは那月のおかげだろう。

暗い見た目も相まってクラスで浮いていた宗也を引っ張って来て、昼飯やら、昼休みやら、遠足やらと色々な時に絡んでいたのは那月なのだ。

いつからか宗也も打ち解け始め、今ではモテモテの明るいイケメン好青年くたばれクソ野郎だ。


「う、なっちんまでそんな事言うの?」

「夫婦じゃないし。蒼介とはただの腐れ縁よ。」

「まったく、宗也まで同じクラスとは、つくづく仕組まれてるとしか思えないな。」

「まあまあ、いいじゃん、せっかくまた一緒になったんだからさ。楽しく行こうぜ?」

「当たり前だ。俺は、何としてもこの高校生活をバラ色にして見せるッ………!」

「ちょ、シュウ、蒼介のスイッチ入れないでよ。」

「あ、やべ。」


スイッチが入った蒼介は、そこから担任が来るまで延々と理想の高校生活について語っていた。


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ミライノオト にゃんだふる @cat3637dream

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