同レベル

9741

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 勇者アーロンと魔王のこの戦い。魔王の方に分があった。 

 闇の力を使う魔王の前に、光の勇者は劣勢だった。


「諦めろ勇者よ。光は決して闇には勝てない」

「……ああ、そうみたいだな」 


 光の剣を投げ捨てるアーロン。 

 だがまだ彼の目は死んでいなかった。


「……なら、これならどうだ!!」 


 勇者は新たなオーラを身に纏った。 

 そのオーラは、力は闇だった。光の勇者が闇に染まったのだ。


「貴様っ、闇を……!!」

「人間の世界にはこんな言葉がある。『争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない』ってな。だから俺はお前と同じレベルになるために、お前と対等に戦うために闇を選んだのさ」 


 予想外のことにたじろく魔王。光の勇者が闇を扱うなど、魔王にとってありえないことであった。


「さあ、魔王。喧嘩しようぜ」

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