第3話 約束

 3ヶ月は、あっという間だった。

 デートやお泊まりはいつもドキドキした。

 彼女との距離もすごく縮まって、嬉しかった。

 ちょっとした事故もあったけど、とても楽しかったと思う。


 今日、すべてが決まる。

 ようやく、友達以上恋人未満な関係が終わるのだ。


 僕の心は決まっている。

 僕はもう一度告白する。


 彼女は、僕のことをどう思っているだろうか。

 好きになってくれたかな。

 告白、今度は受け入れてくれるかな。


 今までの関係が終わってしまう。

 それはとても怖い。


 でも、約束だから。


 それに、前に進まなきゃ。


 だから、僕は告白をもう一度──。


「ちーちゃん」

 帰り道、お別れの前に僕は呼び止めた。

 彼女もわかっているのだろう。

 足は止めたけれど、振り返ってはくれない。

 心臓がうるさい。でも、言わないと。

「……ちーちゃん、今までありがとう」

 僕は───貴女が大好きです。

「ごめん、待って」

 心の準備をしていたのに。

 不意に彼女は振り返って、僕の言葉を止めた。

「え……?」

 彼女はうつむいていて、その顔はわからない。

 でも。

 ────泣いている?

 少し、声が震えていた。

「ごめん、蓮くん。私、貴方に話さないといけないことがあるの。だから、全てはその後に」

 少しだけ、安心した。

 聞いてもらえないのかと思ったから。

 その後に、ということは、その後なら告白してもよいということだろう。

 今日告白できなかったら、僕たちの関係は終わってしまうから。

 少し──いや、本当はとても、安心した。

「蓮くん、あのね……?」

 心臓が、いたい。

「私──」



 風が、僕らの間を吹き抜けた。





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友達以上恋人未満-僕は君が好き- 如月李緒 @empty_moon556

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