第2話
「全員?……この4人だけですか?」
明菜は驚きを隠せなかった。
それもそのはず、明菜は去年まで都会で暮らしていたのだ。通っていた学校の全校生徒は700人は超えていたはずだ。
それなのに、この学校は小中学生合わせても4人だけだと言う。
「ウチとお姉ちゃんが小学生な時は6人くらい居たんだけどね。みんな高校生になってね」
「なるほど。そうだったんですか。あれ?先生は……?」
明菜はまだこの学校の先生を1人も見ていなかった。
「勿論、先生も1人で充分なんだよ。先生もこの学校の卒業生なんだ。ウチが小1の時、中3だったんだ。」
冬美の言うことが本当なら、先生は今、21歳と言うことになる。
「先生はいっつも寝坊して遅刻してくるから、私達は勝手に授業始めちゃうの」
千秋があきれた声で言った。
「ところで明菜はどうしてここに引っ越してきたのですか?」
優花が聞いてくる。
「別に普通だよ。親の仕事の都合」
「なるほどですね。まぁ確かにここは田舎過ぎますが、素晴らしい所ですからきっとすぐになれると思います」
明菜は初めは不安だったが、優花のその言葉で安心することが出来た。
確かに先輩達はみんな優しいし、村も静かでいい所だ。
これからここで何が起きるんだろう?
明菜はその事を想像するだけで、楽しくなってきた。
明菜はこの村がもうすでに好きになっていた。
ほのぼのな毎日 @rindou3214
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