硝子の踊り子

透明の真実と呼べるもの

しなやかさは皆無


とりとめのないこと

幸福に導く光にはならない


溢れかえる希望が手を差し伸べる

わたしは醒めた表情かおで一瞥をくれる


明けない夜の片隅で

小さな明滅を繰り返す平穏


わたしの眼をでる者は存在しない


それなのに

なぜあなたは見つけたのですか


それなのに

なぜあなたは微笑むのですか


わたしに取り入ろうとする温かさ

魂胆と呼ぶものですか


わたしを遊ばせる懐の深さ

優しさと呼べるものですか


くだらない日常に価値を見出す

世界という舞台に立つことを許された瞬間


朝陽を合図に口づけを交わし

照りつける太陽を翻すように歌う


漆黒とは違う夜空に

数多あまたの星座たちを招いて歌う


硝子のような心と体

あなたにすべてをあずけて


壊れる瞬間まで美しく踊りましょう


あなたのために舞うことが

わたしのためであることを信じて

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

硝子の踊り子 古都川コウ @ko_oigawa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ