独りよがりのラビリンス
君のことば
本当は聞き取れなかったんだ
だから都合よく脚色
自らを欺くような真似
さらりとやり遂げた
自尊心 可哀想だろうか
眼をひらけば
パラレルワールド
底無し沼に心を浸す
あの日 落とした邪
忘れ物ですよって
要らぬ親切のように
突き付けられた 醜い真実
顔を背けてはいけない
淡い初恋のように
はためいて 千切れそう
頼りないけれど これは意思表示
その声が欲しかったんだ
過去へ 向けられた銃口
そんな物騒な物
愛でながら古い記憶に慰められている
あの日 失くしたぬくもり
これは白昼夢
未開の地で遊ぶように
君をさらって 軌道修正
暗がりでみつけた
落書きはみちしるべ
必然と信じてもいいよ
あの日 きっと 描くはずの軌跡
運命に翻弄されても
幻ではないから
深い穴のなか 呼吸はしている
触れた高揚のまま
彷徨い果てればいい
何も考えず 僕らそのままで
レコードの針を
そっと落とすように
はたまた天使のように
僕は迷宮に降り立った
――独りよがりね。
軽蔑する君の顔が美しかったこと
独りよがりのラビリンス 古都川コウ @ko_oigawa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます