嘘つきは降りの始まり
「すまねぇ、緑...」
風が強い、だがそんな風が今の俺にはちょうどいい。
「謝る必要なんてないだろ?」
「お前の仇を取るって、上まで俺が行って復讐するって、言ったのに...」
騒ぐ会場から漏れてくる歓声をバックに噛身早記連打と烏野緑は、あの日をあの力をそして奴の顔を思い出す。
ちょうど一年前のこと。
俺、噛身早記連打と烏野緑は絶好調。
ほぼ全ての試合を勝ち抜いてきた。
だが...
「おいおい!何ふざけた試合してんだよぉ!」
緑が押されてる!?
奴は、完璧な力を持っていた。
死灰の官軍(シンダーコバーンメントフォーシズ)。能力が完全にシャットアウトされた。
「噂にはしてたけど、ここまで君が強いとは...」
「よくそんな根性でここまできたもんだぜ。そんなてめぇを応援し、支えてくれた、無駄な行動をさせちまったお前は!!罪だぜ。」
圧倒的な力の差に緑の勝利はなかった。
「4」
最後の奴の一枚が裏にされたまま、決着がついた。
俺は緑の元へ向かった。
そして、二人で会場を後にした。
あれから緑は、ダウトをしなくなった。
しょうもないゲームで人が傷つく。
「負けることに意味があるんだよ。」
「そうかな?」
「俺みたいに負け犬にならないで。」
「どうかな?」
「でかさぁ?イカサマって何してるわけ?」
気になっちゃうよなぁ。初日は後もう1試合ある。試合を待つ時間の雑談。
ほら子が問うてきた。
「すり替えだな。」
「バレないよねぇー?なんでなの?」
「親父がガチのイカサマ野郎だったんだ...」
親父は、無職だ。
金がねぇから養えない、なのに毎日、缶ビール片手に大金が入った封筒片手に帰ってくる。
「地下みたいなとこでやってるやばいカジノで金を稼いでた。」
「マジヤバなんだね〜」
母はそんな金では生きていきたくないと自らが働いて家族を養った。
結婚当時の父は公務員だった。
公務員から無職はウケル。
「いつかイカサマバレて使えなくなるよね?」
「そーだな...だが、まだまだバリエーションがあるんだよ。」
イカサマに限界はねぇ。
「はい!では、こちらから今大会の現状況をお伝えしたいと思います。」
場の静けさは世界一、ダウト本部役員会議。
「全ての地区大会が、順調に進んでおり、良いスタートを切ったと思われます。全国大会の、場所の確保も再度確認を入れました。そのところ「知らない」と一度は賛同してくれたもののお断りさせられてしまいました。どういたしますか?会長。」
「そうだな...」
曇り空、吹き荒れる風。
死んだ光、輝く夜空。
太陽を待つ人々、闇を好む人々。
嘘をつく、嘘が全て。
「ここで開催しよう。」
ダウラーは少ない。いきなり地区大会が開催されるほどだ。だが、能力に偽りはない。そんなものどもの激しい戦い。
「よし!もうそろ行くかな〜」
立ち上がり、退屈だと言い帰ったモブにラ○ンを送った。
おい!今から戦うぞ!応援しろよ!
俺は会場へ向かった。
何もこの大会に出る意味なくね?
あ、やべ...
Lie 復活 : 吐いタク @takakunaiyama
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