ハイファンタジーと歴史小説の共通性
私は以前から、歴史小説とハイファンタジーには多くの共通性があると考えてきました。特に西洋を舞台とした作品の場合、中世ヨーロッパ風の世界観のハイファンタジーとかなり内容的には近いものになるのではないかと思います。
ハイファンタジーにあって歴史小説にないものといえば、冒険者ギルドやダンジョンなどでしょうか。山賊や傭兵などはどちらにも登場します。作風次第では魔法も歴史小説に出すことはできるはずです。いずれにせよ、過去の世界というのは現代人からすれば「異世界」なので、歴史小説も異世界ファンタジーに近い点は多々あります。
そうであるにもかかわらず、カクヨムでは「歴史・時代・伝奇」ジャンルは過疎ジャンルとなっています。しかし例外はあり、戦国時代などに現代人が転生し、現代の知識を使って活躍したりするような作品ならかなりPVを稼ぐこともあります。この点も、ハイファンタジーと歴史小説の共通点を示しています。ハイファンタジーにおいても現代人が一切出てこない作品は現代人が転生したり転移したりする作品に比べてPV的に苦戦することが多いですが、これは現代人の出てこない異世界というのは架空の歴史みたいなもので、読者にとっては遠い世界になってしまうからではないかと思います。
ウェブの作品においては、主人公と読者の距離が近いことが強く求められていると感じます。極限すれば、読者が感情移入できる主人公が出てくるなら、移動する先は異世界であっても現実の世界の過去であっても、どちらでもいいのかもしれません。大事なことは現代人が「ここではないどこか」に行き、現実では味わえない活躍を疑似体験させてくれることだからです。
私は現代人が一切出てこないハイファンタジーが好きで、それはそのほうが雰囲気が保たれると思っているからなのですが、ウェブにおいてはこういう読者は少数派のようです。私が歴史小説や歴史書を読むのはそれが過去の出来事で、「他人事」として俯瞰するように読むことができるからなのですが、ウェブにおいては「自分事」として読めるような作品でないと人気を得るのは難しいのかもしれません。
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