プロの作品ですら埋もれます
これまでずっと、「クオリティの高い作品でも、ウェブ向きでなければ低い評価で終わってしまうこともある」ということを述べてきました。
ですが、実のところ「単に自分が推している作品をクオリティが高いと思い込んでいるだけで、客観的にはやはり質の低い作品が実力相応に評価が低いだけでは?」という考えが心の片隅にはありました。
ですが、今日はある出来事を通じて、やはりクオリティが高くても評価が得られない作品はある、と確信するに至りました。
カクヨムの魅力の一つに、公式アカウントでプロの作品が読めるというものがあります。ファミ通文庫やスニーカー文庫など、いくつかのレーベルの作品が無料で読めるのです。こうした作品も私は何作かフォローしています。
これらの作品はプロが書いているので、一定の水準はクリアしているはずです。そうでなければそもそも書籍として出版できません。
ところが、プロが書いた作品ですら、ウェブでは低評価に甘んじてしまう、ということがあるのです。
カクヨムの公式作品で、私の目に留まった作品は二つです。A作品は異世界ファンタジーで☆は54、B作品はラブコメで☆はなんと9。
公式作品でも☆が1000を超えているものもある中で、これはあまりに低い評価と言わなければなりません。
この二つの作品は、amazonなどのレビューを見る限りではそこそこ評価の高い作品です。自分でも読んでみましたが、やはり一定の面白さはありました。
A作品は700年のコールドスリープから覚めた主人公が人類最後の教師になり、B作品はドSの美少女に鉄塔を登らされるというオープニング。
どちらも引き込まれましたし、個人的には累計ランキング上位の作品よりもずっと面白いとすら思いました。
にもかかわらず、この2作品はどうしてこの評価なのか。
A作品は異世界ファンタジーですが、流行りの転生ものではありません。
とは言っても、700年後の世界で目覚めるって、ほとんど転生と同じだと思うのですが。
ただし、読者へのご褒美という点で考えると、やはり流行りの作品に比べると少し足りないのかもしれません。
主人公は教師で、無双できるような能力があるわけではなく、ストーリーは生徒とのコミュニケーションが中心なので地味といえば地味。
B作品は導入部にも緊張感があり、ヒロインのインパクトも十分で、正直なぜここまで低評価なのかはわかりませんでした。
難を言えば途中までしか公開されていないということですが、それを言うなら序盤を公開しただけで多くの☆を集める作品も多いのですから、これも欠点とはいえません。
やはり、「負けにも不思議の負けはある」のでしょうか。
比較的読みやすいラノベでもウェブでは評価されない場合があるのなら、一般文芸の書籍だとさらにウェブではウケが悪くなることもあるかもしれません。
やはり、ウェブ投稿サイトでの評価だけでその作品の価値を決めるのには無理がありそうです。
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